LGエレクトロニクスは、KDDI夏モデルとなるスマートフォン「isai FL LGL24」が7月下旬に発売されることを受け、本社のある韓国で6月12日に日本の報道陣向けに説明会を開催。モバイルコミュニケーションプロダクトチームのキム・ヒチョル氏によって、端末の魅力やこだわりの新機能などが語られた。
isai FLは2013年に発売された「isai LGL22」に続く、KDDIとLGの共同開発スマートフォン。ブランド名の「isai」には、スマートフォンの“異才”でありたいという思いが込められている。5月末に世界6カ国で発売されたグローバルモデル「LG G3」をベースにしているが、本体背面のカメラ下に音量調整ボタンを配置するなど、独自の改良を加えている。特にメインのボディカラー「ブルー」については、両社でかなり議論した上で、現在の色味に落ち着いたそうだ。
国内で初めてフルHDを超える約5.5インチのWQHDディスプレイ(2560×1440)を搭載。4Kサイズ(3840×2160)で動画を撮影でき、視聴する際はWQHDのオリジナルサイズに近い形で再生される。狭額縁デザインを採用することで、本体サイズは高さ約144.9mm、幅約76.2mmと、約5.2インチのisai(高さ約143.9mm、幅約72mm)から大きく変えずに、0.3インチの大画面化を実現した。
キム氏によれば、社内では「ディスプレイがこれ以上進化する必要があるのか」という議論もあったそうだが、日本における4K対応テレビの需要の高まりなどから、大画面化が進むスマートフォンにも、より高解像度なディスプレイが求められるようになると判断し、WQHDディスプレイの搭載を決めたのだという。
とはいえ、各社のスマートフォンも大画面かつ高性能化しており、端末スペックだけでは差別化が難しくなってきている。前モデルのisaiでも高解像度ディスプレイは好評だったそうだが、「ショップ店員が魅力を伝えづらかったのが反省点」とキム氏は振り返る。そこでisai FLでは「より象徴的で分かりやすい機能を開発した」(キム氏)という。
isai FLから新たに搭載されたのが、これまでスマートフォンではあまりフォーカスされてこなかった端末を“振る”という動作と連動した機能だ。「isaiモーション」は、外出先などで振るだけで、現在地周辺の飲食店の「食べログ」の評価や、電子マネーカードサービス「au WALLET」が使える店舗情報などを表示してくれる。
また、ユナイテッドが提供する着せ替えアプリ「CocoPPa(ココッパ)」ともコラボし、ホーム編集画面を表示して振るだけで、壁紙とアイコンが切り替わる機能を搭載した。気に入らなければ再び振ることで、また別のアレンジに切り替わる。さらに、写真のアルバムギャラリーを表示して振るだけで、フォルダ内の複数の画像が1枚の画像にコラージュされるユニークな機能も備えた。
もう1つの目玉が「ノックコード」機能だ。isaiでは、画面を2回タップすることで、スリープ状態からすぐに復帰する「ノックオン」機能を搭載していたが、「日本ではパスコードロックをする人が多く、二度手間になっていた」(キム氏)。そこでisai FLでは、画面の上をあらかじめ設定した順番にタップするだけで、スリープ復帰とロック解除が同時にできるノックコード機能へと進化させた。
このほか、ホーム画面を縦や横にフリックしながら、ニュースやSNS、YouTubeなどの最新情報を素早く確認できる「isaiスクリーン」や、気になるワードを登録しておくと、その情報だけを集めて雑誌風に表示してくれる「isaiマガジン」を搭載。キム氏は、これらは端末メーカーと通信キャリア、さらにサードパーティがタッグを組むことで実現した機能だと語り、「本当の意味での共同企画だ」と強調した。
isai FLは、OSにAndroid 4.4を採用し、約1320万画素のカメラ、2.5GHzのクアッドコアCPU、2Gバイトのメモリ、3000mAhのバッテリを搭載。またIPX7相当の防水性能も備えている。「FL」という名前には、“フル”スペックや端末を“振る”などの意味が込められているそうだ。キム氏は、前モデルのisaiは納品した端末がほぼ完売するなど好評だったことから、isai FLではさらなる販売増を期待したいと意気込みを語った。
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