中国最大のEコマースポータルの1つであるAlibabaが、UCWebの未保有分株式を現金と株式交換によって取得したという。米CNETの取材に対し、UCWebの広報担当者が認めた。
UCWebは中国で最も人気の高いモバイルウェブブラウザ。Alibabaは買収によって、中国におけるモバイル検索分野での競争力を強化する意向だ。同社は、8月8日とうわさされる新規株式公開(IPO)を目前に控え、事業の強化を図っている。
UCWebの広報担当者は買収金額について、Baiduがモバイルアプリストアの91 Wireless買収に支払った19億ドルよりも高いことを示唆したが、具体的な数字は明かさなかった。
AlibabaはこれまでにUCWebの株式保有率を段階的に引き上げてきたため、今回の買収はまったく予期せぬものだったわけではない。もっとも、UCWebの最高経営責任者(CEO)を務めるYu YongFu氏は会社の独立を維持するつもりだと過去に述べており、その発言には相反する結果となった。2012年にはUCWebの最高財務責任者(CFO)Roy Rong氏が同社のIPO計画を論じたこともあったが、その後、中国で不正会計疑惑が浮上し、UCWebの幹部らがIPOの計画を口にすることはなくなった。
Alibabaは2009年、UCWebの株式を大量に取得し、UCWebの筆頭株主となった。UCWebのブラウザを介した決済でAlibabaとUCWebが提携した際に、両社の関係が密になったとされている。2013年にはAlibabaがUCWebの株式をさらに取得し、その後、同社CEOのJack Ma氏がUCWebの取締役会に加わった。この時点でAlibabaは、UCWeb株式の66%を保有していた。
AlibabaとUCWebは2014年4月、中国検索市場においてBaiduやQihooに対抗し、モバイル検索エンジン「Shenme」(sm.com)を提供する合弁会社を設立した。
UCWebとAlibabaは今回の買収の一環として、Ali UCWeb Mobile Business Groupを設立する予定。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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