最新の報道によると、Appleの経営陣はストリーミング音楽の消費者にとっての重要性を過小評価しており、そのことが原因で同社はBeats Electronics(「Beats Music」ストリーミングサービスも有する)の買収を実行したという。
Buzzfeedが米国時間6月5日に報じたところによると、Appleの経営陣は従来、消費者にストリーミング音楽を提供することよりも、「iTunes」経由で楽曲を購入してもらうことに注力してきたが、そのせいで同社は「傲慢」になり、窮地に追い込まれたという。Buzzfeedは、Appleで働いた経験があり、音楽に関する舞台裏での話し合いに通じていると主張する複数の情報筋を引用した。
iTunesおよび「iTunes Radio」チームの現従業員と元従業員の両方を含むBuzzfeedの情報筋によると、Apple自体の従業員にも同社のストリーミングサービスであるiTunes Radioではなく、PandoraやSpotifyを好んで利用している者が大勢いるという。Appleの経営陣はSpotifyやPandoraを脅威とは見なしていなかったので、Appleは「パニック状態」に陥ってBeatsを買収してしまった、と情報筋は述べた。
情報筋はBuzzfeedに対して、「特に経営陣は、Spotifyが何なのかをほとんど把握していなかった。彼らが今になってパニック状態に陥っているのは、そのためだ。彼らはSpotifyの仕組みを理解していなかったので、iTunes RadioがSpotifyキラーになると考えてしまった」と述べた。
Appleは2013年、ストリーミング分野でSpotifyやPandoraに対抗するサービスとして、iTunes Radioをローンチした。同サービスを利用すると、ユーザーはステーションを作成して、自分のステーションの楽曲やアーティストに似た楽曲を聴くことができる。
Buzzfeedの情報筋は上記のように主張しているが、iTunes Radioは失敗ではなく、やがてSpotifyにダメージを与える可能性もある。Edison Researchが2014年3月に発表した調査結果によると、米国のストリーミング市場で、iTunes Radioは8%のシェアを獲得し、Spotifyを抜いたという。Spotifyのシェアはわずか6%だった。ただし、Pandoraは31%のシェアを得ており、Appleに大きな差を付けている。
iTunes Radioのシェア拡大は、Appleが何かを正しく行っていることを示唆している。さらに、Appleが先頃、Beats Electronicsを買収(人気の高いハードウェアとストリーミングサービスのBeats Musicを含む)したことは、Buzzfeedの情報筋が言うような苦肉の策ではなかった可能性もある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」