「アイマス ミリオンライブ!」初の単独ライブイベント--今後の展開も公開 - (page 2)

 多方面に展開しているアイドルマスターではキャスト陣によるライブは恒例のイベントだが、ミリオンライブ!としての単独フルライブは初めて。ゲーム中でのアイドルたち「ミリオンスターズ」は、これまでのシリーズで登場した765プロのアイドルと新規に追加されたアイドルで構成されているが、このライブでは新規追加アイドルのキャスト陣となっている。

 2日間共通して出演したのは春日未来役の山崎はるかさん、伊吹翼役のMachicoさん、箱崎星梨花役の麻倉ももさん、望月杏奈役の夏川椎菜さん、七尾百合子役の伊藤美来さん。さらに7日にはジュリア役の愛美さん、佐竹美奈子役の大関英里さん、矢吹可奈役の木戸衣吹さん、徳川まつり役の諏訪彩花さん、横山奈緒役の渡部優衣さんが、8日には北沢志保役の雨宮天さん、高坂海美役の上田麗奈さん、エミリー スチュアート役の郁原ゆうさん、田中琴葉役の種田梨沙さん、所恵美役の藤井ゆきよさん、松田亜利沙役の村川梨衣さん、最上静香役の田所あずささんが加わり、総勢17人がステージに登場。またこの模様はライブビューイングとして、全国39カ所の映画館で上映。両日とも30曲弱、3時間を超えるライブとなっていた。

 今回のステージには大きなどんちょうがあり、幕が上がると「765PRO LIVE THE@TER」と書かれた電飾のプレートが目を引く。ミリオンライブ!は765プロライブ劇場を発展させていくという目的があり、その劇場を再現するような雰囲気となっていた。アイドルマスターのライブイベントのお約束となっている前説では、765プロ事務員である音無小鳥が登場。説明の中では「ちひろさんに負けてられません」と、ソーシャルゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ」に登場する事務員の千川ちひろを意識したと思われる発言もあって、場内を沸かせていた。

 ステージの幕が上がり出演者そろってのテーマソング「Thank You!」を皮切りに、CD「THE IDOLM@STER LIVE THE@TER PERFORMANCE」(LTP)シリーズに収録されている個々の持ち歌となるソロ曲やユニット曲の数々を披露。すでに各種イベントやライブの参加などで歌を披露する場があり、2月にさいたまスーパーアリーナで行われた大規模ライブを経験したキャスト陣も多かったことから、成長した姿をお披露目する集大成の場といわんばかりに熱唱に次ぐ熱唱。もちろんこういった大舞台が初めて、ミリオンライブ!のイベント出演そのものが初めてというキャストもいたが、初々しさを感じさせず堂々とした歌いっぷりに、ファンである“プロデューサーさん”のコールや声援も熱気に満ちていた。

  • 7日公演の模様

 ミリオンライブ!としてのオリジナル曲のほか、これまでアイマスシリーズで歌われた765プロの楽曲をカバーするコーナーも設けられた。楽曲は事前に公募によって決められたもので、「GO MY WAY!!」、「キラメキラリ」といったアイマスライブの定番曲をはじめ、「きゅんっ! ヴァンパイアガール」、「relations」、「自分REST@RT」の5曲を披露。自分REST@RTの後半ではキャスト陣そろって歌い上げるなど、新たな一歩を踏み出す決意を表すかのような演出も用意されていた。

 前述のようにミリオンライブ!は、ミリオンスターズが765プロライブ劇場を発展させるべく劇場で公演を行うという背景がある。そしてアイドルたちが一丸となって劇場を盛り上げていくという仲間との絆が、ゲームやLTPのミニドラマでも描かれている。このあたりはソロ曲のバックダンサーとしてキャスト陣自ら登場し踊るという演出でも表現されていたのだが、もうひとつ、くしくもこのライブでみまわれたハプニングによっても感じ取ることができた。

  • 8日公演の様子

 今回のイベントは当初2日間の出演を予定していた田所さんが、体調不良により出演を断念することが前日になって告知された。田所さんは山崎さん、麻倉さんとともにウェブラジオ番組「ミリオンラジオ!」のレギュラーパーソナリティを務めているほか、8周年記念ライブツアーなどのゲスト出演など、早い段階から表に立ってミリオンライブ!の存在をアピールしていた人物。7日公演分では開演直前の告知アナウンスのあとに、田所さん演じる最上静香のソロ曲「Precious Grain」が流れ、本人不在ながらも客席からはイメージカラーの靑いサイリウムが一面に広がり、本編と変わらないであろうプロデューサーさんのコールがこだまするという、スタッフと観客からの心遣いが感じられる一幕もあった。この日は1人少ない10人で公演をこなし、また当初7日公演のみの出演だった伊藤さんが、急きょ8日公演も出演することが決まった。

 このまま8日の公演が行われるものと思われたが、当日になって限定的ながら田所さんの出演が決定。ライブ後半に姿を見せ、心配をかけてしまったことを謝るとともに出演できたことの感謝を伝えると、今回のライブで一番の歓声と拍手が巻き起こっていた。そしてようやくそろったラジオパーソナリティトリオ“ぴょんころもち”によるラジオ番組のテーマソング「U・N・M・E・I ライブ」をステージ初披露。ラジオさながらのかけあいを交えた楽曲にステージが華やいでいた。その後、田所さんはPrecious Grainを自ら披露。雰囲気を一変させるぐらいに圧倒的な存在感を醸しだしながら歌う姿は健在で、ひときわ大きな声援とコールが送られていた。

 ギリギリのタイミングでの変更はさまざまな負担がかかると思われるが、それを可能にしたのはスタッフや出演者のこれまで培った経験や対応能力の高さや、なによりもステージをいいものにするという士気の高さがあって実現したことなのではと推察する。そこにステージはみんなで作り上げるもの、そしてそれが仲間との絆を感じた次第だ。

  • 8日公演の後半は田所さんが加わって12人のステージに

 曲間のトークでは曲や衣装の話題、さらには少しセクシーな話題も飛び出すといったガールズトーク風の和気あいあい感があり、それはそれで仲の良さを感じさせた。一方で最後のあいさつでは感極まるキャスト陣が続出。7日のみの出演者は涙をこらえつつ感謝の言葉を述べるという感じだったが、8日の公演ではほとんどのキャスト陣が涙ぐみながら、大舞台での不安とともにステージが楽しかったことを語っていた。そしてなにより「みんながそろってステージに立てたこと」を挙げる方が多く、そのことにも田所さんは、あきらめずにステージに立てたことの感謝の言葉を語っていた。涙に暮れるキャスト陣が多かったなか、リーダー的存在の山崎さんは涙を見せずひとり明るく「ここまでくるのにいろいろあったけど、アイドルマスターを先輩やスタッフ、プロデューサーさんが作ってくれたおかげで、ミリオンスターズとしてファーストライブを行うことができました。みなさんに感謝します」と語って感謝の言葉を贈っていた。

 あいさつのあとは、新たな第一歩を踏み出すにふさわしい新しいテーマソング「Welcome!!」を初公開。キャッチーな曲であるせいか、初公開とは思えないほどの一体感あふれるコールに包まれていた。さらにアンコールではアイドルマスターのテーマソングとして長年歌われ続けた「THE IDOLM@STER」、そしてタイトル通りの感謝の気持ちを込めた「Thank You!」を全員で披露。キャスト陣とプロデューサーさんによる最後のフレーズ「ありがとう!」が響き渡っていた。

 ミリオンライブ!は、サービス開始時に765プロメンバー含む50人のアイドル全員に声優によるボイスが付き、さらにはCDによる展開も早い段階か行われ、それぞれにソロ曲があるなど、ソーシャルゲームながら初期段階からリッチなコンテンツとして、ゲームの内外から展開されていた。筆者も初期段階からプレイしたり動向を見ていたが、リリース直後からいきなり大きな人気や支持を受けていたかといえば、そうではない。アイドルマスターのコンテンツでも後発かつ、ソーシャルゲームとしても先行しているコンテンツもあり、キャスト陣もほぼ新人ということもあったせいか、そこからさらに新しいものを追っていくというのも敷居があり、なかなか人気を感じにくい状態だった。そんななかでもイベント等さまざまな形でアピールを続けて存在感を出していき、ファーストライブでは満員で埋め尽くすまでに至ったものと感じている。

 ごく個人的に印象的なシーンは数え切れない。LTP 09の発売記念イベントを取材していたこともあってか、大関さんの「スマイルいちばん!」や村川さんの「チョー↑元気Show☆アイドルch@ng!」(ちょーじょーげんしょーあいどるちゃん)を大舞台で見られたこと。木戸さん演じる矢吹可奈が、劇場版アニメで自分REST@RTのフレーズを口ずさむシーンがあり、木戸さんのうたう自分REST@RTを見ているだけで感激できたこと。初出演だった諏訪さんによる「フェスタ・イルミネーション」による「イルミルミルミルミ……」と続くフレーズが頭から離れにくいことや、同じく初出演だった種田さんの「朝焼けのクレッシェンド」で伸びやかに響く歌声。郁原さんが「微笑み日和」で感極まったことろや、上田さんによる「ココロ☆エクササイズ」からにじみ出るアイドル感などなど……。挙げるとキリがないのだが、取材したメモの多くに「笑顔で」「のびのびと」と書いてあり、ある意味ではこの言葉がライブを象徴していたものだと感じている。

 ミリオンライブ!は劇場を発展させていく物語。この先どんなステージを作りだしていくのか楽しみにしたいところだ。

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