しかし、今回展示されたハイブリットキャスト関連全般、ことにサービス面に関する内容についてはほかに特筆すべき内容があったとは言い難い。全体的に「データ放送よりリッチな内容」という方向性が見受けられたが、データ放送と比べ画質を向上させたり複雑な動きを実現したりすることが、「テレビへの通信回線接続」という大きな壁を乗り越える策になり得るのかどうか、個人的に疑問だ。
例えば視聴者参加型コンテンツであれば、操作するのがテレビリモコンからスマホやタブレットに変わっただけで、用意された選択肢から選ぶという部分には手が加えられていない。ここはスマホやタブレットのマシンパワーを生かし、文字の直接手書き入力や音声による回答といった視聴者参加コンテンツがそろそろ登場してほしいと思う。
ちなみに、そうしたコンテンツに適した人気番組を持つテレビ朝日(「Qさま!!」「くりぃむクイズ ミラクル9」など)とフジテレビ(「ネプリーグ」など)に相談してみたところ、双方とも「技術的には実現できそう」とのことで今後の採用を検討してみてくれるそうだ。これに限らず、こうした機会に「例えばこんなサービスはできないのか」といった視聴者の声をブースで説明する担当者に届けてほしい。
システムの面では、アプリ充実に欠かせないサードパーティを組み込むための技術提案が進んでいるようだ。放送局以外の事業者が番組に関連したアプリを作成するためには事前の情報取得が不可欠であり、それをいかに安全かつ効率的(放送局の立場からみて)に行えるかが重要。メタ情報提供フォーマットの統一化、同一の情報発信元から必要な情報のみ閲覧できるようライセンス発行する方法など、NHKが提案する番組情報提供の仕組みはかなり完成されてきている印象を受けた。技研公開は6月1日までで、入場は無料となっている。
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