モバイル決済企業のSquareは米国時間5月28日、小売店向けの事業資金前貸しプログラムを正式に発表した。このサービスは、同社サービスをすでに利用している小売店、さらには同社自身が利益を上げる後押しになる可能性がある。
「Square Capital」と名付けられたこのプログラムは、小売店がSquareから一括で資金の前貸しを受け、売り上げから一定の割合を支払う方式で少しずつ返済するというものだ。銀行の融資とは異なり、このプログラムでは貸出期間に応じた金利や返済スケジュールは設定されない。ただしSquareでは、過去の売り上げ実績やその他の財務情報に基づき、限られた小売店にのみ、このプログラムを提供している。
Squareによれば、2013年にこのプログラムの試験運用を開始して以来、すでに「数千」の企業に対して「数千万」ドル規模の資金を提供してきたという。カリフォルニアを本拠に置き、アートとアパレル製品を販売するZeroFriendsの共同創業者、Darren Scott氏は、以前にも他のさまざまな資金調達の選択肢を検討していた時期があったが、最近になって検討を再開したところで、Squareからこのサービスに関する提案を受けたという。
このプログラムに関する過去の報道が指摘しているように、この小売店向け事業資金前貸しサービスモデルはSquareに新たな収益の柱をもたらすものだ。モバイルデバイスに接続可能なクレジットカードリーダーで最もよく知られる同社が創業したのは、2010年のことだ。複雑で規制の強いクレジットカード業界を破壊する存在として大きな話題を提供してきたSquareだが、金銭的な問題を抱えていると報じられており、2013年には1億ドルの損失を計上したという。
Square Capitalが既存の現金前貸しプログラムと違う点は、従来のサービスよりコストが少なく済むことにあるとSquareは述べている。また、一般的な融資とは異なり、申し込みの手続きや書類の作成は必要ない。これは、小売店向けの既存サービス「Square Register」によって、Squareが企業の財務状況をすでにある程度把握しているためだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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