サンフランシスコ発--サムスンは米国時間5月28日、ウェアラブル製品ユーザーの心拍や血圧を含む特定のヘルス特性の測定をより優れたものとする新しいオープンソフトウェアとリファレンスデザインハードウェアを披露した。同社のフィットネスバンドリファレンスデザイン「Simband」は、将来のウェアラブル製品に使うことができる新しいセンサモジュールを組み込んでいる。一方で、Samsung Architecture for Multimodal Interactions(SAMI)と呼ばれるクラウドベースのソフトウェアプラットフォームは、デバイスから分析用のセンサデータを収集できる。
考えられる可能性として、音響学や光学、発電などの分野の新しいセンサは空気中の物質を感知したり、ユーザーの血中グルコースレベルを追跡したりできるようになるだろう。
サムスンのプレジデント兼最高戦略責任者(CSO)であるYoung Sohn氏は、「われわれの目標は、ユーザーの身体について今よりもはるかに多くの情報を感知できるセンサをいつか手に入れることだ」と述べた。
同社は28日、「Samsung Digital Health Challenge」も発表した。これは、健康関連テクノロジに取り組む新興企業などの組織に対する5000万ドルの投資で、サムスンの新プラットフォームの利用を促すことが目的だ。
テクノロジ分野の企業にとって、健康は注力すべき重要な分野になっている。いくつかの企業は、Jawboneの「UP24」のような健康に主眼を置いたガジェットを発表してきた。ほかにも、無数の企業がスマートなグルコースメーターや類似製品の開発に取り組んでいる。患者のデータのマイニングや、個人のさまざまな計測データの収集を行って、彼らがいつ病気になるのかを予測し、適切な治療法を提示することにチャンスを見出す企業もある。
スマートフォン分野におけるサムスンの最大のライバルであるAppleも、健康とフィットネスに大規模な投資を行っていると言われている。また、一部報道によると、同社のモバイルOS「iOS 8」の次世代版には「Healthbook」と呼ばれるアプリが搭載され、ヘルストラッカーとしての性質が強くなるという。
サムスンによると、Simbandは「研究目的のデバイスで、発売はしない」という。同デバイスは、サムスン自身の「Gear Fit」など、現在市販されているスマートウォッチより野心的だ。Simbandは基本的に実験台で、開発者は同デバイスを使って、独自のセンサやアルゴリズム、テクノロジを提供することができる。サムスンは、これを2014年中に開発者向けに提供する計画だ。価格は明らかにされていない。しかし、一般消費者が購入できる製品とはならないだろう。
SAMIの一環として、研究者や開発者向けのバイオジャーナルが、人体に関する極めて詳細なデータへのアクセスや分析ツールを提供する予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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