NestのCEO、製品への広告表示を否定--グーグルからの独立性を強調

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 編集部2014年05月23日 10時50分

 Googleはサーモスタット上で広告を販売する計画を既に否定しているが、Nestの最高経営責任者(CEO)であるTony Fadell氏は米国時間5月21日夜、Nestが売り上げを得る方法は親会社のGoogleとは異なる、とわざわざ明言した。

 Googleは売り上げの大半を広告の販売によって得ている。同社に批判的な人々は、このアプローチを激しく非難している。なぜなら、それは、より効果的な広告を提供するためにユーザーの行動をのぞき見する金銭的な動機が同社にあることを意味するからだ。Nestはそうしたアプローチを採用していないが、Fadell氏はそのメッセージが正確に伝わっていないことを懸念しているようだ。同氏はTwitterへの投稿の中で、NestはGoogleと違って単純に製品を消費者に販売することによって売り上げを得ている、と述べた。

第2世代Nest Learning Thermostat
第2世代Nest Learning Thermostat
提供:Lindsey Turrentine/CNET

 Fadell氏は「Nestが製品の販売によって売り上げを得るビジネスモデルを採用しているのに対し、Googleは主に広告支援型のビジネスモデルを採用してきた」とツイートで述べた。「われわれは広告に対して何の悪意も抱いていない。結局のところ、Nestもさまざまな広告を行っている。われわれは、広告がNestのユーザー体験にとってよいことだとは考えていない。それだけのことだ」(Fadell氏のツイート

 Nestは、インターネット接続機能を備えたサーモスタットや大気質センサを販売している。それらの製品の狙いは、例えばアラートや各種設定の変更機能を備えたスマートフォンアプリによって、室内の環境をより簡単に制御できるようにすることだ。

 Google自身も、2013年に規制当局に提出した文書が2014年5月20日に公開されたことで、新たな議論を呼んだ。その文書には、「今から数年後、当社を含む多くの企業が冷蔵庫や車のダッシュボード、サーモスタット、メガネ、腕時計に広告などのコンテンツを提供するようになるかもしれない。これらの例は、多くの可能性のごく一部にすぎない」と書かれている。Googleが21日に述べたところによると、この書簡は「Googleの製品ロードマップを反映したものではない」という。また、Nestは「広告ベースのモデルを採用しておらず、採用を計画したこともない」という。Googleは2013年の提出文書の意味をはっきりさせるため、米証券取引委員会(SEC)に連絡を取っている。

 広告によって支えられるGoogleのビジネスモデルに批判的な人々は、同書簡を激しく非難した。

 Apple関連の情報を扱うブログThe LoopのJim Dalrymple氏は、「あなたはこの気味悪い企業の製品だ」と結論づけた。つまり、Googleユーザーは広告主に販売される製品である、ということだ。Daring Fireballブログの記事を執筆しているJohn Gruber氏は、「何と憂鬱で抑圧的な未来の展望だろうか」と付け加えた。

 Nestは今回の一件のせいで、悪い印象を持たれたくないと考えたようだ。

 Fadell氏は、「NestはGoogleのほかの部分から独立して経営されている。経営陣もブランドも文化も別だ」と述べた。


Nest LabsのCEOであり創設者のTony Fadell氏
提供:Stephen Shankland/CNET

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。

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