ジェイアイエヌは5月13日、「自分を見る」をコンセプトにしたウェアラブルデバイス「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」を発表した。2015年の春に発売予定だ。価格は未定だが、「JINSが作る商品だから、手が届かないということはない」(ジェイアイエヌ 代表取締役社長の田中仁氏)という。
JINS MEMEはもっともメガネらしい「ウェリントン」、フレームを薄くした「ハーフリム」、スポーツシーンなどで使える「サングラス」の3種類。カラーはブラックの1色のみ。サングラスタイプ以外、追加料金で度付きにもできるという。
重さはウェリントンタイプで約36g。スマートフォンとの連携は、Bluetoothで、連続使用時間は約8時間。充電は1時間だ。microUSB経由で充電ができる。アタッチメントパーツを付けると、使用時間を約16時間に延長できる。
JINS MEMEは一見すると普通のメガネに見えるが、実はフレーム内に「三点式眼電位センサー」と「六軸(加速度・角速度)センサー」が組み込まれている。そのセンサから取得した8方向の視線移動やまばたきといった動きを独自のアルゴリズムで解析し、スマートフォンを目で操作したり、端末と連携してユーザーの状態を可視化したりできるようにした。
例えば眠気が増したとき、ドライバーの目は特有の動きをするという。疲れや眠気を自覚する前に検知し、スマートフォンを通じて警告音でドライバーに知らせることで事故の防止に役立てられる可能性がある。
すでに、ドライブ分野においてはデンソーと慶應義塾大学メディアデザイン研究科を交え、産学共同で次世代の運転サポート技術に関する研究を行っているという。
利用シーンは、オフィスやドライブ、フィットネスを想定する。例えば、仕事中の自分がどれだけ疲れているかを疲労指数「me(ミー:Mental Energy)」を通じて可視化でき、休憩のタイミングに役立てられる。
また、六軸センサにより、体軸のブレや歩数、消費カロリーをリアルタイムで表示することで、フィットネスシーンや医療にも役立つ。頭部の動きは、他の体の部位に比べて重心や体軸など、重要な体の動きを反映するという。そのため、腕などに装着するリストバンド型のデバイスよりも正確に歩数カウントや活動量の計算ができると説明する。
認知症になると体胴のブレが大きくなるという。歩行状態をモニタしていけば、手足や足腰から来るものか、脳の診断をしたほうがいいのかといった手がかりになるほか、ケガの予防にも応用できるのではないかとし、慶応大学医学部らと研究を行っているという。
このほか、専用のアプリケーションにより、ランニングや歩行中の体の傾きやブレをリアルタイムに把握できるため、体軸や体幹を意識した最新のトレーニング理論も手軽に実践できるとしている。
ウェアラブルデバイスを研究する慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科 興趣の稲見昌彦氏は、JINS MEMEについて「キーワードは人機一体。機器が人に寄り添い、どこでもサポートしてくれる。それがウェアラブルの本質」と語った。
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