Gorooは5月2日、複数のファッションECサイトの商品を一括で閲覧して購入できるショッピングアプリ「melo(メロ)」(iOS/Android)を公開した。価格は無料。同社では約2カ月で5万ユーザー、約3カ月で約10万ユーザーを目指す。
スマートフォンとの相性の良さなどから若年層を中心に利用者が増えているファッションECサ―ビス。最近は「ZOZOTOWN」や「LOCOND」といった大手だけでなく、誰でも手軽にネットショップを作れる「STORES.jp」や「BASE」などのサービスを使った個人系のECサイトも数多く登場している。
この一方で、ECサイトが乱立し、“どこに自分好みの商品があるのか分からない”、“複数のサイトを使い分けなければいけない”といった煩わしさを感じている人もいるだろう。また、Goroo CEOの花房弘也氏によれば、ショップ側も小規模であるほどSEO対策などができず、集客に苦労している現状があるという。こうした双方の悩みを解決すべく開発されたのがmeloだ。
meloは流行に敏感な10代後半の“原宿系”の女性をターゲットにしている。そのため、服にそれほど多くの予算をかけられない人でも、気軽に手が出せる3999円以下の商品を中心に揃えているという。商品は「人気」「~999円」「~3999円」といったタブを切り替えながら一覧で見られる。ただし、決済機能は搭載しておらず、商品は各ECサイトで購入する。
meloに登録されているファッションECサイトに気に入った商品があれば、投稿ボタンを押すだけでアプリ内に追加できる。また、好きな商品には“いいね”をつけてお気に入りのリストを作れる。センスが合うユーザーをフォローすることで、その人が注目する商品を「フォロー」タブでまとめて見ることも可能だが、「実店舗での買い物で知らない人とつながることはめったにない」(花房氏)という考えから、“ソーシャルECアプリ”といった方向性で打ち出していくつもりはないという。
Goroo創業者の花房氏は現在21歳。ストックフォト販売サイト「PIXTA」を運営するピクスタの元インターン生で、大学を休学して1月末に起業した。同社には約10人のスタッフがおり、1人の外部委託スタッフを除くと、すべてのメンバーが現役大学生だという。
meloは、3月中旬に開催されたサイバーエージェント主催のビジネスプランコンテスト「スタートアップ版あした会議」で優秀プランに選ばれ、4月30日付でサイバーエージェントの投資事業部から約2000万円を調達した。なお、同社は2月にもEast Venturesから出資を受けている。
今後は、meloに対応するサイトを増やし「あらゆるファッションECサイトのプラットフォームにしたい」と花房氏は語る。また、近日中にユーザーが「古着」などのタブを自由に追加できる機能を実装する予定で、将来的には「ファッション雑誌に載っている商品などをタグ付けして買えるようにしたい」(花房氏)という。
マネタイズについては、当初はアフィリエイトモデルを採用する。ゆくゆくは、meloに参画するショップに、ファンを獲得して購買に結びつけるためのナレッジを提供したり、管理ツールを提供したりする月額課金モデルやパッケージ販売モデルへと移行していきたいとしている。
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