IIJがクラウド事業でシンガポールに進出--ASEAN統合のメリットとは - (page 2)

クラウドで空いたリソースを新施策に投資

 ASEAN地域では進出している欧米企業を中心にクラウドの利用が進んでいるという。以前は同地域が生産拠点として捉えられることが多かったため、メーカー企業などによる利用が多かったが、最近では新興市場として捉える小売、サービス企業などによる利用が増えているそうだ。

 また、利用用途に応じてクラウドと従来型のサービスが棲み分けて使われているが、クラウドに移行したことによって空いたリソースを、ビッグデータの分析やスマートフォン向けウェブサイトの改修、サイト上でのカスタマーサポート機能の拡充など、新たな施策に投資する傾向があるとのこと。

 顧客企業のクラウドへ移行するスピード感は、シンガポールの方が日本よりも速いという。大導寺氏によれば、シンガポールは小規模なローカル企業か世界展開するグローバル企業に分かれる。小規模な企業は新しい技術に対してハングリーで、セキュリティ対策など安全性に対する感覚はよりチャレンジングなのだそうだ。

  • IIJ代表取締役社長の勝栄二郎氏

 こうした市場の特徴とシンガポール政府による外資誘致の動きを背景に、国内での競争は激しく、まさに「クラウド銀座のような状況」(清水氏)。同国でのIIJの知名度はまだ低いため、まずは企業の課題に対するソリューションを組み合わせたパッケージと、サービスの導入事例を作りアピールしていくという。

 発表会でIIJ代表取締役社長の勝栄二郎氏は、世界一周を大容量回線でつなぐことを実現したことについて「ようやくスタート地点に立った」とコメント。同社執行役員でグローバル事業本部長の丸山孝一氏は「次は、アジア各国のニーズに対応し、この地域をより深掘っていく」と話した。

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