Texas Instruments(TI)が、自社のワイヤレスマイクロコントローラとコネクティビティチップ製品でAppleの近接通信技術「iBeacon」をサポートする方向に動き出した。これにより、小売業以外でのエンタープライズアプリケーションの増加につながる可能性がでてきた。
TIは米国時間4月16日、iBeaconを同社のBluetoothポートフォリオ全体でサポートする意向を明らかにした。今回の動きによって、自動車などの車両に使用されるセンサにiBeaconが内蔵される可能性が出てくる。
AppleのiBeaconは、「iOS 7」のBluetoothを用いてマイクロロケーションターゲティング(Micro-location Targeting)を行う。これまでの一般的な使用事例としては、買い物客が店内のどこにいるかに基づいて、カスタマイズされた宣伝広告や提案を受けられるというものがある。iBeaconは、観客のエクスペリエンスの向上を目的としてスタジアムでも利用されている。
TIはまた、iBeacon向けのロケーションアプリをリリースするとともに、「SimpleLink SensorTag」開発キットに対する統合も実施した。TIのロケーションアプリでは、フロアプランをアップロードしたり、自社のSensorTagsを使用して屋内の位置特定システムを作成したりする方法を実際に示すことができる。
TIのサポートを受けたことで、企業がiBeaconを使用して資産の追跡、自動化システム、工業アプリケーションを実験する機会が増える可能性がある。TIの動きにセンサタグ企業(開発企業の可能性が高い)が追随した場合、iBeacon(およびApple)は、これまで以上にエンタープライズ向けIoT機器へと組み込まれて行くだろう。
iBeaconが真のエンタープライズツールになるには、そろえる必要のあるパーツはまだたくさんあるが、TIによる大々的なサポートはそのスタートだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
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