インテルは4月17日、モノのインターネット(Internet of Things:IoT)事業に関する説明会を都内で開催。米IntelのバイスプレジデントでIoTソリューションズ事業を担当するDoug Davis氏は、IoTがもたらす可能性を解説した。
Davis氏はIoTの現状として、ネットワークにつながるデバイスの数は2015年に150億台、2020年に500億台にまで増加すると説明。既存のシステムのうち85%はネットワークに未接続であり、相互に接続されておらず、クラウドとデータを共有していないが、今後はインテグレーテッドコンピューティングによってネットワークへの接続が進むとした。「自動販売機や自動車などパーソナルデバイス以外からのデータ蓄積も進むだろう。2013年には5億台の“非パーソナルデバイス”がネットワーク上に追加された」(Davis氏)。
IoTがもたらすのは、デバイスがネットワーク上で連携、データが共有されるという利便性だけでなく、そこから生まれるビッグデータという資産の創出だ。
この点についてDavis氏は、インテルにおけるIoTの定義として「デバイスがネットに接続してコンピュータ機能を統合し、データ解析によって意味のある情報を抽出すること」と説明。ネットにつながったさまざまなデバイスが生み出すデータを活用可能な情報へと変換し、新たなビジネスチャンスを生み出せるとした。「コネクテッドコンピューティングの循環が新たなビジネスを生み出す。多くのデバイスが大量のデータを生み出し、そのデータから新たなサービスの拡充をもたらすことができる」とDavis氏。同社はデータセンターからクラウド、ネットワーク、サービスまでエンドトゥエンドで最適な半導体製品やIoT関連技術を提供していくとした。
中でもDavis氏が強調していたのは、ゲートウェイの存在だ。例えば、産業用システムを統合するためには、異なるシステムが生み出すデータを集約、統合してネットと接続する必要がある。Davis氏はサービスゲートウェイとセキュリティを統合したIntel Express Service GatewayとクラウドAPIサービスを提供して、データやデバイスの健全性、安全性を担保しながらビジネスチャンスの創出に貢献したいと説明。「IntelのチップとMcAfeeのセキュリティ、ソフトウェアのエコシステムを駆使してゲートウェイを構築していく」とした。
今後IoTの促進が進む業界の見通しとして、Davis氏は製造や自動車、小売りを列挙。現状を「IoTの過渡期にある」として、業界のニーズに応える製品や技術をスピーディに提供していくと同社の姿勢を説明した。
中でも、自動車産業については特に注目すべき分野として、インテルはニーズに特化した製品の開発、R&D部門の整備、自動車分野におけるIoTを推進するための基金の設立、ソフトウェア産業とのエコシステムの構築など、自動車産業に対して積極的に投資していくと説明。「今後はドライビングアシスト技術の発達などによって、自動車が“自立”した存在になっていく。そこでは、IoTによって自動車からフィードバックされた情報が瞬時に統合管理、解析され、ドライブをより安全にすることが可能になるだろう」とDavis氏は語った。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス