2月中旬にベトナム・ホーチミンを訪れる機会があった。日本商工会議所によるとベトナム国民の平均年齢は27歳台と非常に若く、街は活気に溢れている。
そこで、現地の実情を知るために各取材先で出会ったベトナム人の若者に、自身が使っているスマートフォンやアプリについて聞いてみたので、その模様をお伝えする。ただし、これらの話がベトナムのすべての若者に当てはまるわけではないことを先に断っておく。
今回話を聞いたのは、現地のITスタートアップ「DeltaViet」と、マイクロアドのベトナム現地法人で働くスタッフの合わせて5人。いずれも20代の若者で、仕事柄、テクノロジに触れる機会が多いことが彼らの共通点である。まずは、使っているスマートフォンについて聞いた。
5人中3人が「iPhone 5」で、2人は「Galaxy Note」。みんな初めて購入したのはNokia製のスマートフォンだったが、その後徐々に買い替えていったそうだ。iPhoneを使っている人は、買い替えるとしたらiPhoneの次期モデル。またGalaxy Noteを使っている人も同端末の次期モデルが良いそうで、乗り替えは考えていないようだ。
ベトナムではiOSとAndroid OS、どちらの端末が人気かと聞くと、みな口を揃えて「Android」と答えた。1番の理由は価格。現地の若者からするとiPhoneは高価に感じるそうだ。独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)によると、ベトナムの非製造業スタッフの平均賃金は月額344ドル。幅広い価格帯のAndroidと比べると、iPhoneは高級品といえる。
また、Android人気のもう1つの理由として挙げられたのが「同期」のしやすさ。端末を買い替えたり、タブレット端末などを買い足したりする時のアプリなどコンテンツの同期がよりスムーズなのだそうだ。
続いて、利用しているアプリについて聞いた。SNSではいわずもながといった感じで「Facebook」。あわせて挙げられたのが、「LinkedIn」と「Twitter」だった。LinkedInは必ずしも転職活動の際などだけでなく、ビジネスパーソン同士の純粋な交流目的でも使われているという。Twitterは最近下火だそうだ。
メッセージアプリは、楽天が買収したことで話題になった「Viber」が1番に挙げられた。他にも「WhatsApp」「LINE」「KakaoTalk」「Zalo」など。Zaloはベトナム国産のアプリだ。Viberはベトナムで必ずしも先行者ではなかったらしい。しかしフレンドリーなユーザーインターフェースなどでユーザーを集め、利用する友人が多いという理由で徐々に拡大していったという。ちなみに、PCでは「Skype」をよく利用するそうだ。
写真アプリは「Instagram」が人気だが、ベトナムではこれからさらに広まるフェーズとのこと。動画は「YouTube」で、以前は韓流ドラマがよく観られていたという。ニュースアプリは「VnExpress.net」「Ngoi Sao」「Dan Tri」などいずれもローカルメディアが提供するものが人気。英語が公用語ではないからだろう。
eコマースについても聞いた。日本と比べると利用頻度はそこまで高くないようだ。その理由は、インターネット上に決済に必要な個人情報などをアップロードすることに抵抗があり、ネットでモノを買うという習慣がまだ定着していないからだという。
eコマースがより普及するには、より信頼のおけるサービス提供者とeコマースサイトが必要だそうだが、現時点で本人たちが最も利用するのは「Zalora」だという。ベトナムに限らず、アジアではファッション好きの女性に人気のサイトだ。書籍を買うときには「Tiki」だそう。「Amazon」はベトナムに拠点がないため、配送が不便であまり使われないという。
最後に、ベトナム発で世界で話題となったゲームアプリ「Flappy Bird」について聞いた。Flappy Birdはもちろん国内でも人気で、ゲーム開発者に夢を与えたという。しかし、開発者がアプリストアから削除したことについては、話題作りの仕掛けではないかと見る若者が多かった。
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