次に「消費者市場に参入する可能性」を聞かれると、「Oracleが直接コンシューマーに製品を販売することはない」と指摘。現在のトレンドとなっているウエアラブルコンピューティングやモノのインターネット(Internet of Things:IoT)については、「非常な速さで進化している。デバイスはシンプル化の一途をたどっており、ユーティリティコンピューティングのように、必要な時に必要なだけ利用できるようになっている。
今後はユニバーサルな接続が可能になるだろう」と指摘したものの、「製品のサイクルは、Oracleのビジネスサイクルとは異なる」と語り、同市場への参入を重ねて否定した。
また、多くの買収を成功させている秘訣については、「Oracleの成長ポートフォリオの中で、必要な技術やサービスを提供している企業を買収する。過去の買収で一番成功したのはSun Microsystemsだ。JavaやMySQL、SPARCといったすばらしい技術/製品、知財のポートフォリオを“格安の55億ドル”で手に入れることができた」と語った。
そのほかの買収エピソードとして、1990年代後半にAppleの経営が悪化していた時期に同社を買収する意志があり、「収資金を調達し、あと一歩のところまで話が進展していた」(Ellison氏)ことを明らかにした。同氏がAppleを買収して株の25%を、旧知の仲であり当時はAppleを追われていたSteve Jobs氏に提供し、同氏をボードメンバーに迎えて再建する計画だったが、「Jobs氏に嫌がられた」(Ellison氏)という。
Ellison氏は富士通や日立で働いていた経験があり、親日家としても知られている。米国の私邸には日本庭園があり、京都南禅寺にも自宅を所有しているほどだ。三木谷氏から日本の起業家に対してアドバイスを求められると、「日本企業では努力を惜しまずに長時間労働していた。その経験は起業家としての“トレーニング”となった(笑い)」とした上で、「ほかの人がやっていることは、すべてやる必要がある。その上で、既存の考え方の過ちを見つけなければならない」と語り、講演を締めくくった。
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