インターフェースは全般的に良く設計されており、デスクトップ版Lightroomに慣れていればすぐに使いこなせるようになるだろう。Lightroom Mobileは、iOSのインターフェースのルールに違反することなく、デスクトップ版Lightroomの感性とロジックを維持しているからだ。作業ビューは基本的に、グリッド、フィルムストリップ、調整、プリセット、トリミングの5つがある。しかしすぐに見つけられない機能もある。例えば、筆者には最初、アスペクト比をタップすればそれがオンになることや、トリミングボックスの外を選択すると回転させられることが分からなかった。しかし全体としては、かなり単純明快に作られている。また、適切なジェスチャにはすべてクイックレファレンスがある。ただし数は8つしかない。
調整ビューでは、数値で設定する項目を選択するとスライダーが表示される。それは良いのだが、筆者は数値を入力する方が、自分がどうしたいか分かっている場合には時間もかからず、正確にできるので好きだ。プリセットビューでは、サムネイルプレビューが表示できて良い。しかしプリセットリストが画像の中央に表示されることが多く、これはおかしい。
調整ビューとプリセットビューは、デスクトップ版Lightroomの「Quick Develop」パネルで利用できるビルトインオプションを模倣している。カスタム保存したプリセットはサポートされておらず、筆者にとっては大きなマイナス要素だ。ワークフローでプリセットを使う場合は、カスタムプリセットを作成する。非常に不完全な回避方法としては、以前使った設定を現在の画像にコピーすれば良い。
デスクトップ版Lightroomには、コレクションや画像が同期設定されていることを示すアイコンがあるが、モバイルアプリで編集済みの画像であることを示し、フィルタリングの手段にもなる目印が何か必要だ。デスクトップ版Lightroom上に、モバイルで編集済みのバージョンのみを表示させる何らかの方法があれば、そのバージョンのみを見直して調整を行い、正しく変更が行われていることを全般的に確認できて良いのではないか。というのも、iPadのスクリーンの色域やダイナミックレンジは、高性能なデスクトップディスプレイのものには及ばないからだ。これには回避方法はない。このプログラムにはレーティングやカラーラベルの機能さえまだないためで、これも非常に不便な点だ。筆者は、はるかに強力な整理ツールを備えているPhotosmithと一緒に使うことで多少シームレスに作業することができた。Photosmithでは、メタデータの編集やコードの色分け、画像のレーティングができるほか、画像の鮮明さをより正確に判断することが可能な、高解像度表示も利用できる。ピクセル数が足りない場合には、エッジ検出ビュー(カメラのマニュアルフォーカスピーキングのようなもの)でも、解像度の低いデバイスでは特に役立つだろう。
Lightroom Mobileには、まだ足りない部分が多少あるものの、外出先で画像を編集したり、表示させたりする必要があるデスクトップユーザーには十分便利なアプリだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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