「アイマス シンデレラガールズ」初の単独ライブイベント--今後の展開も公開 - (page 2)

 多方面に展開しているアイドルマスターではキャスト陣によるライブは恒例のイベント。これまでもシンデレラガールズとしてライブに参加することはあり、CD発売記念イベント等で歌を披露することはあったが、単独ライブイベントとしては今回が初めて。

  • それぞれ15人のキャスト陣が登場

 2日間共通して出演したのは島村卯月役の大橋彩香さん、渋谷凛役の福原綾香さん、本田未央役の原紗友里さん、多田李衣菜役の青木瑠璃子さん、双葉杏役の五十嵐裕美さん、三村かな子役の大坪由佳さん、 前川みく役の高森奈津美さん、小日向美穗役の津田美波さん、諸星きらり役の松嵜麗さん、城ヶ崎莉嘉役の山本希望さん、城ヶ崎美嘉役の佳村はるかさん。

 さらに5日には日野茜役の赤﨑千夏さん、アナスタシア役の上坂すみれさん、白坂小梅役の桜咲千依さん、安部菜々役の三宅麻理恵さんが、6日には神崎蘭子役の内田真礼さん、赤城みりあ役の黒沢ともよさん、新田美波役の洲崎綾さん、高垣楓役の早見沙織さんが加わり、それぞれ15人ずつ、総勢19人が登場。6日は昼と夜の2公演で、合計3公演がおこなわれ、個々のソロ曲を中心にそれぞれ22曲が披露された。またこの模様はライブビューイングという形で全国の映画館でも上映された。

  • ゲームでアシスタントを務める千川ちひろが前節。なぜか顔が黒い

 会場のステージ中央は半円状にせり出されており、客席もすり鉢状に配置されていることからどの位置からも見えやすいのが特徴。さらに客席寄りには台も用意され、その上で立って歌う一幕も。それゆえに距離感も近く感じられた。特に今回は初めての単独ライブで待ち望んでいたファンである“プロデューサーさん”も多かったとあってか、1日目の幕開けとなったテーマソング「お願い!シンデレラ」のときには、感情を爆発させたときのような大歓声とコールに包まれていた。

 今回は演じているアイドルのタイプ(属性)「キュート」「クール」「パッション」に分かれ、ブロックごとにソロ曲とタイプ別のユニット曲を披露する流れ。両日とも始めはパッションからスタートし、1日目はクールからキュートへ、2日目はキュートからクールへと進行。切り替わりの合間にトークや、全員で歌う「輝く世界の魔法」が織り交ぜられた。

 パッションのブロックが見せたのは、情熱的かつ感情豊かに歌う姿。シンデレラガールズの楽曲でも光量の強いウルトラオレンジが定着しつつある、王道を行くような応援ソング「ミツボシ☆☆★」から始まる流れで、盛り上がった熱をさらに加熱させるように会場一体となって勢いよく、あるいは感情豊かに歌い上げていた。

  • シンデレラガールズの定番盛り上げ曲になっている、原さんの「ミツボシ☆☆★」

  • 赤崎さんによる「熱血乙女A」。熱血な日野茜のオーラを感じさせるほどに熱唱

  • 黒沢さんによる「Romantic Now」。ダンスや客席のあおりなど、ひとり別のエンジンを積んでると思わせるぐらいのパフォーマンスを見せた

  • パッションのユニット曲「Orange Sapphire」(1日目)

  • 2日目のトークでは、CD収録メンバーがそろったということで、ジャケットポーズの再現も

 キュートのブロックが見せたのは、さまざまなかわいらしさの形。ほっぺが赤くなってしまうような甘い雰囲気に包み込むような曲もあれば、先日のさいたまスーパーアリーナで見せた、ニートアイドル双葉杏の曲「あんずのうた」での「メーデーメーデー」の大合唱、ウサミン星からやってきた安部奈々の曲「メルヘンデビュー!」では、観客総ウサミン星人状態の「ミミミン、ミミミン、ウーサミン!」のコール、猫系アイドル前川みくの曲「おねだり Shall We ~?」ではコールが「にゃぁ!」となるような曲もあり、まるでおもちゃ箱のような楽しさも感じられるブロックとなっていた。

  • 津田さんによる「Naked Romance」。淡い恋の歌を披露しプロデューサーさんたちを魅了

  • 大坪さんによる「ショコラティアラ」。かわいらしい曲と振り付けで、会場中を甘い雰囲気に包み込んでいた

  • 三宅さんによる「メルヘンデビュー」では、映像モニターにうさぎの姿も

  • キュートのユニット曲「アタシポンコツアンドロイド」(1日目)

  • 1日目のトークで、高森さんの鼻歌にあわせて全員が猫のポーズを取る一幕も

 クールのブロックが見せたのは、いろんな角度から放つ輝き。クールのシンボルマークには宝石があしらわれているのを象徴するように、たとえばスプラッタ映画観賞や心霊スポット巡りが趣味という白坂小梅の曲「小さな恋の密室事件」では“かわいいホラー”というイメージのものや、俗に“中二病”な独特の言い回しをする神崎蘭子の曲「華蕾夢ミル狂詩曲~魂ノ導~」のような異彩な輝きを放つものもあれば、かっこよさやりりしさなど正当派なものもあり、さまざまな“クールさ”を放っていた。

 特に1日目の上坂さんによる「You’re stars shine on me」、2日目の早見さんによる「こいかぜ」のバラード曲では、それまでの盛り上がりから一転。抜群の歌唱力で伸びやかに響き渡る歌声に、プロデューサーさんたちはのパフォーマンスに聴き入っていた。

  • 桜咲さんによる「小さな恋の密室事件」。“萌えそで”と呼ばれるだぼっとした長袖で登場し、独特な世界観の曲を披露

  • 青木さんによる「Twilight Sky」。ロックな多田李衣菜を表現するようにエアギターを披露

  • 洲崎さんによる「ヴィーナスシンドローム」。新田美波の大人びた雰囲気を再現するように、のびやかに歌う姿が印象的だった

  • クールのユニット曲「Nation Blue」(2日目)

  • 2日目のパッションの流れから、クールのトークでもジャケットを再現

  • 最後に歌われた「お願い!シンデレラ」

 トークでは1日目こそMCや会話に初々しさや、振り付けのポイントを解説するなど笑いが絶えない感じだったが、2日目夜の回では、それぞれにキャラクターや楽曲、このステージにかけた思いの話題が中心となり、そのエピソードに声援や拍手が送られる場面も。さらに2日目夜の最後のあいさつでは、客席からでもハッキリとわかるぐらいに感極まりながら語るキャスト陣が続出。それぞれが抱えていた歌や踊りに対する不安や初期の頃の振り返り、仲間ができて一緒のステージに立てたこと、見られなかった景色がみられたこと、カードに描かれたアイドルが成長するように一緒に成長していること、それこそ人生が変わったぐらいなことを話す方も少なくなく、飾らない本音と感謝の言葉に声援と拍手が送られていた。

 終盤には全員で、さらなる先を目指すことを表現した「ススメ☆オトメ~jewel parade~」、最後のあいさつのあとには、もう一度「お願い!シンデレラ」を披露。セットリスト上では杏ときらりの掛け合いが楽しい「ハピ☆ハピver.」となっていたが、キャスト陣とプロデューサーさんそれぞれが思い思いに歌い合い掛け合う別バージョンのような光景となっていた。

  • 最後は時計の針が0時を指し、魔法が解けることを示す鐘のような音が響くなか終演を迎えた

 シンデレラガールズのサービス発表時には、ソーシャルゲームに対するイメージや多すぎると言っていいほどの新キャラクターが登場することに、さまざまな意見が巻き起こっていた。キャラクターもほんの少しプロフィールがあるだけの電子世界のカードにしかすぎなかったが、CDの展開にあわせて声が付きアイドルらしく歌が歌われランキングチャートをにぎわせる存在に。さらに各種イベントでの展開を経て単独ライブやアニメ化まで到達。展開や動きの早いソーシャルゲームのなかでも、アイドルマスターという看板はありながら、そこから飛び出した新しいアイドルたちのここまでの軌跡は、魔法がかかったような奇跡的な例にも思える。一方でその裏には、アイドルとその近しい存在のキャスト陣が、シンデレラの階段のように一歩一歩積み上げたものもあると、今回のライブイベントを見て感じたところだ。と同時に、個人的ではあるが筆者のお気に入りのアイドルはボイスが付いていないため、少しうらやましい気持ちを持った本音もある。

  感極まるキャスト陣のなか、最後にあいさつした大橋さんはいつでも変わらない笑顔で、それでも力強く、あくまでここがスタートラインであることを強調。「これからもみなさんと一緒に突っ走っていきます!」と言うと、会場のプロデューサーさんがそれに応えるように歓声をあげた。テレビアニメをはじめとしたさらなる展開が予想されるだけに、この先どんな魔法をかけてくれるのか楽しみにしたいところだ。

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