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Wearable Tech Expo

フィジカルの状態をテクノロジで可視化する--アディダスのウェアラブル戦略

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 3月25~26日に開催されているウェアラブルテクノロジのカンファレンス「Wearable Tech Expo in Tokyo 2014」。「すべてはアスリートのために~adidas miCoach」と題したセッションでは、アディダスジャパン アディダスマーケティング事業本部 Football/Rugby/mi BU シニアマネージャーの山下崇氏が登壇した。

山下崇氏
山下崇氏

 アディダスは「すべてはアスリートのために」という創業者の理念をもとにビジネスを行っている。「オリンピックを目指す人たちだけではなく、目標に向かって取り組むすべての人がアスリート」と定義し、スポーツにおけるすべての人のサポートするために、これまでシューズやシャツなどの製品を提供してきた。

 アディダスが提供しているmiCoachは、ウェアラブルデバイスとサービスでアスリートをサポートする仕組みだ。その中でも、心拍数を計測し最適な運動を教えてくれる腕時計型のSmart Run、トップアスリートのためのサポート・システムであるmiCoach Elite System、トレーニングデータを計測するSpeedcellについてプレゼンを行った。

プランに応じた最適な運動をコーチングする

 Smart Runは、ランニングトレーニングをサポートする腕時計型のデバイスで、腕のセンサで正確な心拍数を測ることができる。カラータッチディスプレイで、ボタン一つでスクリーンをタッチしたりスワイプして切り替えたりすることができる。4Gバイトのミュージックプレーヤーが内蔵しており、ワイヤレスでイヤホンから音楽を聞くことも可能だ。

 トレーニングやダイエットにおいて効果的なランニングをするためには、ただ心拍数を上げるのではなく目的に応じた運動負荷を与えなければならない。Smart Runでは、ウェブサイトにてランニング目的に応じたプランを作成し、プランに沿ってリアルタイムで音声コーチングを行ってくれるという。

 「プランと心拍数の計測をもとに、ゆっくり走ったほうがいいとか、ペースを少し上げましょうなどのコーチングをしてくれる。これまでアディダスが行ってきたフィジカルトレーニングのノウハウと、リアルタイム計測ができるからこそのサポートだ」(山下氏)

テクノロジを活用したスマートフットボールを目指して

 トップアスリートをサポートするmiCoach Elite Systemは、心拍センサが付いているスマートシャツや選手のパフォーマンスやフィジカルをトラッキングできるPlayer cell、トラッキングしたデータを受信しウェブにデータを送信するPortable Base Station Unitなどをもとに構成される。プレーヤーの細かな動きや心拍数、ステップ数を計測。ゲームを見守るコーチに瞬時にデータを送信し、ゲームやトレーニングの最中にチーム全体あるいは個々のプレーヤーの状態を詳細に把握できるという。

 「心拍、距離、加速、位置情報、スピードを計測し、タブレットやPCでリアルタイムに計測したデータをもとに分析することができる。トレーニング中における時間帯の心拍数の推移などをもとに、ベストなコンディションで本番に臨むことができる」(山下氏)

 ゲーム中の選手交代やチーム戦略の参考にするだけでなく、傾向を分析し過度なトレーニングやケガのリスクを軽減し、プレーヤーのパフォーマンスの最適化を図ることができる。ACミランでは、分析チームを通じて選手個々に合わせたトレーニング方法を行っているという。2013年には米国メジャーリーグサッカーにもシステムを導入し、「スマートフットボール」というアプローチをアディダスは支援している。

目標を持ったすべての人が向上するものづくりに取り組む

 Speedcellは、デバイスをシューズに装着してトレーニングを行うことで、1分毎のパフォーマンスの様子を簡単に計測できる。90分のサッカーの試合では、歩行、ジョギング、ダッシュなどのスピードの異なった走りをどのタイミングで何メートル走ったのかを計測でき、個人の運動量と時間に応じたパフォーマンスの分析が可能だ。

 「これまでのトレーニングは、イメージをもとにすべての選手を画一的にトレーニングさせるしかなかった。フィジカルの状態をテクノロジを通じて知ることで、コーチは選手にデータをもとに具体的なアドバイスを行ない、トレーニングに励むことができる」(山下氏)

 すでに高校サッカーなど一般ユーザーも利用しており、コーチや監督から導入のオファーが多いという。

 Smart Run、miCoach Elite System、Speedcell以外にも、アスリートのタイプに合わせたプロダクトを揃えているという。「目標を持ったすべての人が、1%や1ミリを向上させるためのものづくりを、これからも行っていきたい」と山下氏は語った。

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