ドコモ・ドットコムによる、モバイルビジネス・マーケティング情報誌「スマートフォンレポート」の最新号(Vol.11)より、スマートフォン購入状況調査の一部をお届けする。
2013年12月から2014年1月にかけてのスマートフォン購入状況は、「iPhone 5s」「iPhone 5c」に人気が集中した前回の状況から変化は見られたのか、という点に注目が集まった。各キャリアから新たに発売されたAndroid冬春モデルを中心に、年末年始商戦期におけるスマートフォン購入状況を見てみたい。
まず機種毎の販売状況だが、これまでの動きと同様にiPhoneシリーズが上位を占める結果となった。とはいえ、1~3位を各キャリアのiPhone 5sが独占している状況ではあるものの、2013年11月の販売シェアと比較すると各キャリアともにiPhone 5sのシェアは落ちており、その人気は少し落ち着いてきた印象だ(【NTTドコモ】11月:17.2%→12月:13.4%、【ソフトバンクモバイル】11月:15.8%→12月:10.5%、【au】11月:12.4%→12月:8.6%)。
これに代わって一定数のシェアを獲得したのが、2013年12月に発売されたドコモの「SO-02F:Xperia Z1 f」である。12月においては、発売日(19日)から月末までの日数が少ないにもかかわらず、iPhoneシリーズ以外で最も高いシェアを記録すると、1月はそのシェアを5.0%まで伸ばしている。同シリーズのNTTドコモ「SO-01F:Xperia Z1」やau「SOL23:Xperia Z1」を併せたシェアは全体の12%を占めており、Android端末の中ではXperiaシリーズの人気が抜き出ていることを証明している(図1)。
続いてOS別で見てみると、12月はiOS:48.8%に対してAndroid:44.3%と、10月、11月に続いてiOSがAndroidをかろうじて上回ったが、1月にはAndroidが49.7%のシェアを獲得し、iOS:43.1%を上回った。iPhone 5sとiPhone 5cの人気は他のAndroid端末と比較するとまだ高いが、ここにきてAndroid機種の人気が回復していることがわかる。ちなみに、1年前にあたる2012年12月のiOSシェア(33.4%)と比較すると、2013年12月のiOSのシェアは15%程高い。これは、ドコモからiPhoneが発売された影響によるものと見られるだろう(図2)。
続いてキャリア別の販売シェアを見てみたい。12月、1月ともにドコモが約4割とトップシェアをキープしたが、ソフトバンクモバイルは11月の26.6%から20%前半へとシェアを落とした。iPhone 5sのシェア減少(11月:15.8%→12月:10.5%)がそのままキャリア別のシェアに響いた格好だ。その一方で、auは12月に前月並の28.2%のシェアを獲得すると、1月はさらにシェアを伸ばして3割を超えた。iPhoneとAndroid両方を展開していることに加え、「学割」キャンペーンの実施などが奏功した模様だ(図3)。
2013年後半の目玉であったiPhone 5sとiPhone 5cの人気が落ち着きを見せ、今後はAndroid端末の販売数をいかに伸ばしていくかが各キャリアにおけるシェア獲得の鍵と言えそうである。一方で、年間最大の商戦期とも言われる3月の端末購入動向が注目を集めるが、この時期は学生の需要が大きく伸びる時期でもある。10、20代の学生層における人気の中心がiPhoneであることから、Androidからシェアを奪い返す可能性もまた十分に秘めており、その動向が注目される。加えて、各キャリアとも学生を対象とした割引キャンペーンを展開するなど学生層への訴求を強めており、激しい競争が予想される。次号では学生層のスマートフォン購入動向を中心に、2014年2、3月の動きをお伝えしたい。
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