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次元の向こう側へ--ソニーのヘッドトラッカー搭載HMDでアイマスを体験

佐藤和也 (編集部)2014年03月24日 19時46分
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 ソニーマーケティングは3月22日と23日の2日間、東京ビッグサイトで開催されたアニメイベント「AnimeJapan 2014」にて、アイドルマスターの世界に“次元を超えて”体験できるプロトタイプのヘッドマウントディスプレイ(HMD)を出展した。

 用意されたHMDは、2013年11月に発売された「HMZ-T3W 」だ。この後部にプロトタイプのヘッドトラッカーを搭載。これによって頭の動きを検知し、たとえば右を向いたら右側、左を向いたら左側、上を向いたら天井や空、下を向いたら床や地面といったように、360度を見渡せる視聴空間を再現するというものだ。

  • スマートフォンに接続されたHMZ-T3W。このスマホに搭載したシステムアプリによって動作。映像もここから流れる

  • HMZ-T3W後部に搭載された、プロトタイプのヘッドトラッカー。特に重さを感じない小型のものとなっている

 映像には、バンダイナムコゲームスとコラボレーションによる、PS3用ソフト「アイドルマスター ワンフォーオール」のスペシャル映像が使用された。ちなみに3月23日のみ、アニソンライブも用意されていたという。

 ヘッドトラッカーを搭載している以外は、通常のHMZ-T3Wを利用する感覚と変わらない。余談になるが、メガネをかけたままでも使用できる。「前を向いてください」「下を向いてください」という指示が出てキャリブレーションの設定が完了すると、765プロダクションの事務所の光景が映し出される。

  • 開始前に、キャリブレーションの設定を行う

  • 前だけではなく、下も向く

  • 設定が完了すると、アイマスの世界に降りたったかのように、765プロ事務所の光景が広がる

 アイドルマスター ワンフォーオールは、プレイヤーが765プロの専属プロデューサーとなって、アイドルプロデュースをするゲーム。765プロには13人のアイドル候補生が所属している。映像では765プロの事務所の真ん中にいるような形となり、事務所内にはアイドルたちも存在する。HMDとともにヘッドフォンも装着するため話し声も聞こえ、さらに没入感を高めてくれる。

 正面には「765」の文字が書かれた窓に机、右を向けばテレビやソファーといった応接スペース、後ろを向けば事務所の入口だ。ところどころにアイドルたちが存在し、それぞれが思い思いになにかをしたり話したりしている……。平面の画面でコントローラで視点を操作するものとは違い、頭の動きと連動して意図した場所に視線がいき、その光景が広がるというのは、グッと現実感を増す。

 筆者は一度、とある3DアクションゲームをHMDでプレイしたことがあるのだが、疲労度合いが高かった記憶がある。大迫力に加え、視線を動かしたり画面の端を見たりする際にわずかに動く頭の動きに、画面がついてきてしまうのだ。違和感とともに、慣れてないこともあってか疲れてしまったことを覚えている。今回は短い時間ではあったが、視線と頭の動きが連動すると前述のような違和感はなくなり、現実感を増すさらなる要因になっていると考える。

  • 右側を向くとテレビやソファといった応接スペースが見える

  • 左を向くと、如月千早と四条貴音が何かを話している

  • 今回はこのようなヘッドホンを使用。音の臨場感も味わえる

 映像では、通常であれば画面外では描かれないであろうアイドルたちも存在し何かをしているため、好きなアイドルを見続けることも可能。筆者はお気に入りのアイドルである双海亜美・真美の双子姉妹の動きを追ってみた。亜美と真美は13歳で元気あふれるいたずら好きな女の子。映像ではプロデューサー(自身)を横切るように走り回り、右側のソファに座り、さらに後ろの事務所入口でもじゃれ合っている。最後に本来であれば正面となる位置で天海春香からあいさつされるのだが、後ろ向きだったため振り返るも間に合わないまま映像が終了してしまい、なんとなく申し訳ない気持ちになってしまう。

 そんな亜美と真美の動きにあわせて横を向く、さらに後ろを見るということは頭だけではなく体も動かさなければならない。文字で書けばごくごく当たり前のことではあるが、そんな体感があることがより現実感を出している。さらに細かいところでもあるが、亜美と真美は小柄であるためか、冒頭で横切るときに少し視線を下げないとちゃんと見ることができなかった。こういう細かいところで視線、しいては頭の動きがあるというのも、より本物っぽさを感じさせる。

  • 手前を駆け抜けて走り回る双海亜美。真美も続いて走ってくる。ちゃんと見ようとすると、少し視線を下げる必要がある

  • 本来であれば、映像の最後に天海春香が正面の位置であいさつしてくる

 筆者がかつてアーケード版で遊んでいた時代に、タッチパネルで亜美と真美の頭をタッチして慰めるというシーンを見て「女の子の頭を撫でるなんて親愛の証じゃないか」と、当時そのシチュエーションに弱かった自分にとってストライクだったと、別タイトルのインプレッション記事でも書いた。タッチパネルの触覚と、360度見られる視覚と声の聴覚はもちろん別物であるが、動き回りじゃれ合う亜美と真美を見て「しょうがないなぁ」と思ってしまうところは、なんとなく通ずるものがあり、それだけでこの感覚は“やばい”とも思える。

 今回の出展およびプロトタイプのヘッドトラッカーは、あくまで新たな表現方法の可能性を模索、提示する試作品であり、現状では商品化や新たなデモ出展の予定は未定としている。また、先頃SCEが発表した、PS4向けのVRシステム「Project Morpheus」とは別物としている。とはいえ、Project Morpheusも頭部の動きを検知し、映像が360度全方向で見ることができるシステムとして開発中だ。将来的にはこういった視聴システムが実用化される可能性はあるものと推測される。

 もちろんアイマスのようなアニメやゲーム以外にも、もうひとつのデモとして用意されたアニソンライブを体感するような、現実の出来事をより現実感を増す形での楽しみ方も提案されている。今後については未定としているが、今回は少なくとも“次元の向こう側”を予感させるものであり、今後もなんらか視聴機会があればと思う。

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