カシオをぶっちぎりの世界一に--時計の常識を覆した29歳・斉藤さん - (page 2)

 もちろんありました。ただ、やはり自分が入ったからには、カシオをぶっちぎりの世界一にしたいとずっと思っていたので、このソーラーセルで他社と三つ巴の状態から頭ひとつ抜け出せると思い、熱意で説得しました。製造メーカーからは、ちゃんと発電するか分からないと言われてドキドキしていたのですが、実際にサンプルを作って出来そうだと分かり安心しましたね。

――渦巻き形状のソーラーセルが搭載されたモデルはもう発売されているんですか。

 2013年10月に発売された「OCEANUS Manta(OCW-S3000)」などで採用されています。最初は社内であまり注目されていなかったのですが、製品発表会のネタとしてサンプルを持っていったら、いくつかのメディアで取り上げていただき、社内でもだんだん評価が高まっているような気がします(笑)。

 実は、いま渦巻き以外の形状も開発していて、そのソーラーセルを搭載したモデルが春ごろに発売される予定です。もし他社が似たような効果を開発してしまったら、苦労して生み出した針の影を無効化する技術の優位性がなくなってしまいます。そこをがっちり固めるために、似たような方法をいくつも開発して、それらも特許として出願することが大切なんです。


「OCEANUS Manta(OCW-S3000)」

カシオを“世界一”のブランドに

――なるほど、斉藤さんの話を聞くと特許の重要性を再確認させられますね。では、ここからはご自身のことについても聞いていきます。いま使っているスマートフォンは。

 いま使っているのはiPhone 5です。タブレットも一応、iPadのWi-Fiモデルを持っているんですけど、あまり使っていませんね。それとウェブサイトの閲覧くらいならスマートフォンで事足りてしまうので、家のPCも壊れたタイミングで使うのをやめちゃいました(笑)。

――確かにスマートフォンを手に入れてから、自宅のPCの起動回数はかなり減りましたね。仕事で愛用しているアイテムなどはありますか。

 魔法瓶ですね。1日にコーヒーを2~3杯飲むので、給湯室で入れて持ち歩いてます。ちなみに砂糖は多め派です。

――尊敬する人がいれば教えて下さい。

 いまの直属の上司です。世界で初めてGPSウォッチを作った人で、ラスベガスで毎年開催されるコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)で2年連続で最優秀賞をとっています。めちゃくちゃ怖いんですけど、エンジニアとしてモノづくりとはどういうことかを目の前で学ばせてもらっていますし、組織で働くときに大切なことなども教えてもらっています。

――ちなみに渦巻き形状を見た時の反応は。

 ふーんって感じでした(笑)。

――口にはしなくても嬉しかったじゃないですかね。休日はどのようなことをして過ごしていますか。

 海外旅行が好きで、最近だと香港とか台湾とかタイに行きました。あと冬には毎年スノーボードにも行きますね。それと、本はあまり読まないんですけど漫画が好きで、いまは「キングダム」とか「干物妹!うまるちゃん」にハマってます。


趣味は海外旅行やスノーボード、アクアリウム、漫画を読むことなど

――アクティブな趣味が多いんですね。そして漫画はヤングジャンプ系が好きと。では、最後に今後カシオで実現していきたいことや、斉藤さんの目指す将来像について聞かせてください。

 先程もお話しましたが、カシオを誰もが認める世界一のブランドにしていきたいと思っています。そのためにも、与えられた仕事をこなすだけではなく、自分ひとりでは実現不可能な大きなことも社内外の多くの人の協力を得ることで実現できるようになりたいです。またスマートフォンの普及によって時計を使わない人も増えていますが、時計は単に時間を知るだけのものじゃなくて、自分の価値観をそのまま表現するアイテムだと思っているので、時代が変わっても残り続けるものだと思っています。

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