ウォルト・ディズニー、「作品至上主義」から生み出されるマーケット戦略

 ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンは3月13日、2014年夏のマーケティング&セールスプランについてプレゼンテーションをする「In-Home CONVENTION 2014 SPRING」を開催した。2013年から発売を開始した「MovieNEX」の販売戦略や今後のリリース作品などについて話した。


ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン ゼネラルマネージャーの塚越隆行氏

 ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン ゼネラルマネージャーの塚越隆行氏は、「3月14日から公開される『アナと雪の女王』は、日本の結果次第でアニメの興行成績歴代1位になる可能性がある。作品を見ていただければ世界中で大ヒットし、観客を魅了したことをご理解いただけると思う」と劇場公開最新作にかける意気込みを話した。

 今後の展開については「私たちがもっとも大事にしているのは“作品至上主義”。いかに多くの人に作品を楽しんでもらえる環境を作るかが仕事。どういう風にしたら魅力を伝えていけるか、言葉や方法を徹底的に考え抜いていく」と説明した。

 ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンでは、2013年からMovieNEXを発売している。これはBDやDVDソフトのパッケージにクラウドサービスを組み合わせた新パッケージディスクで、ディスクを使ってテレビなどで視聴できるほか、クラウド上にあるコンテンツをインターネット経由で視聴できることが特長だ。また、オリジナルコンテンツが体験できる進化型のコンテンツ「MovieNEXワールド」も各作品に用意する。

  • MovieNEXに対する満足度は85%

 2013年には「モンスターズ・ユニバーシティ」「トイ・ストーリー」などの作品がMovieNEXで登場。ユーザーアンケートによると、85%のユーザーから「満足」の回答が得られたという。デジタルコピーに関しては「外出先でも手軽に見れる」「スマートフォンでいつでも見られて便利」と、使い勝手に対し高い評価を得ているとのこと。一方、MovieNEXワールドについては「本当に盛りだくさん」「いろいろキャンペーンがある」など、満足度の高い結果になっているという。

  • 「プレーンズMovieNEX」と劇場版「プレーンズ2」では双方向でのコミュニケーションをする

 こうしたユーザーの声を受け、同社では今後のMovieNEX作品に「より新しい作品の楽しみ方をご提供」「MovieNEX×劇場 双方向のクロス・マーケティングでユーザー拡大」「充実した新作リリースでラインアップ拡大」という3つの施策を展開する。

  • MovieNEXワールドではコンテンツが進化し続けることが魅力

 現在のラインアップでもっともデジタルコピー登録数が多い、モンスターズ・ユニバーシティでは、MovieNEXワールド内で提供しているコンセプトアートが人気コンテンツの1つ。提供するコンセプトアートを月替りで用意したり、カレンダーデザインをそろえたりと、コンテンツを進化させている。今後のMovieNEX作品においても、コンテンツを進化させることで、より新しい作品の楽しみ方を提供していく。

  • MovieNEX対応の作品は今後も拡充していく

 また、4月23日にリリースが予定されている「プレーンズMovieNEX」では、7月19日に劇場公開する「プレーンズ2」と合わせて展開する。MovieNEXワールドで、劇場鑑賞割引券や試写会、特別コンテンツなどを提供するほか、プレーンズ2の劇場鑑賞者にMovieNEXを告知し、双方向のコミュニケーションを深めることで、長期にわたって作品を訴求していくとのこと。こうした施策は「メリー・ポピンズMovieNEX」と3月21日劇場公開の「ウォルト・ディズニーの約束」、「眠れる森の美女 ダイヤモンド・コレクション MovieNEX」と7月5日劇場公開の「マレフィセント」でも同様に活用していくとした。

 同社では、MovieNEX対応をMARVEL作品にも展開し、ラインアップを拡充することを発表。より広く、長く、多角的に作品を楽しんでもらえる環境を整えていくとした。

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