ノルウェーのブラウザメーカーOpera Softwareが、「Android」向け「Opera 20」の安定版をリリースした。この新バージョンでは、ブラウザから直接ビデオチャットを行える「WebRTC」がサポートされている。
WebRTC(Web Real-Time Communications)をサポートする安定版のリリースにより、Operaは2013年に同機能のサポートを追加したAndroid版「Google Chrome」や「Firefox」と肩を並べたことになる。なお、Operaは2月にベータチャネル上でこの機能をリリースしていた。またデスクトップ版では2013年半ばから、WebRTCをサポートしているChromeやFirefoxと同様に、既にサポートが開始されている。
WebRTCの一連のAPIを使用することで、ブラウザ上でプラグインを必要とせずに、また、モバイルの場合には専用のアプリを別途用意しなくても、ウェブベースのリアルタイムコミュニケーションが可能になる。
GoogleやMozilla、OperaによってサポートされているWebRTCプロジェクトの目標は、デバイスに搭載されているカメラやマイクにアクセスするためのJavaScriptのAPIやHTML5を整備することで、ブラウザ上で動作する新たなリアルタイムコミュニケーションアプリの創造を促すというものだ。
Android向けの「Firefox 24」でWebRTCをサポートした際にMozillaが強調したように、開発者はJavaScriptを用いるだけでブラウザからカメラやマイクのストリームを直接捕捉したり、ブラウザ間での通話を実現したり、チャットやゲーム、画像共有といったピアツーピアのブラウザアプリを開発できるようになる。ただしMozillaによると、WebRTCの使用感にはまだ荒削りな部分が残っているかもしれないという。
Operaはこの機能のテスト用として、同時に8人までのチャットが可能なサイトappear.inを推奨している。同様のサイトとしては他に、talky.ioやapprtc.appspot.com、codeshare.ioなどがある。
ブラウザからカメラやマイクにアクセスできるというのは便利な機能だとはいえ、プライバシー上のリスクも当然ながら存在している。Operaは、Android向けのブラウザではカメラやマイクの使用時に、デスクトップ版とよく似たリクエスト画面を表示してユーザーに知らせることで、この問題に対処していると述べている。
また今回のアップデートでは、Operaのスピードダイヤル機能が新しいフラットなデザインになるとともに、ブラウザのナビゲーションバーを電話やタブレットに合うようにする機能が追加される一方、ブラウザの「Chromium」コアがバージョン33にアップデートされている。
Opera 20は、「Google Play」ストアで米国時間3月5日から公開されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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