Corningの幹部が米国時間3月4日、ディスプレイを保護する素材として使われているサファイアクリスタルを痛烈に批判した。このやりとりの中で言明はされなかったが、Appleが念頭に置かれているのは明白だった。
Corningのシニアバイスプレジデントを務めるTony Tripeny氏は4日、Morgan Stanley Technology, Media & Telecom Conferenceで、自社製品の「Gorilla Glass」を擁護する立場から発言しており、以下のような質問を受けたとSeeking Alphaが伝えている。質問したのは、Morgan StanleyのアナリストJames Fawcett氏だ。
この質問で触れられている「大手の携帯電話およびデバイスメーカー」が間違いなくAppleであることに留意してほしい。Appleは、将来リリースするデバイス(おそらくは新型「iPhone」と「iWatch」が含まれるだろう)に、何らかのかたちでサファイアクリスタルを使用するとみられる。
「サファイアの話題が出たが、ご存じの通り、サファイアに着目しているのではないかと思われている、大手の携帯電話およびデバイスメーカーが1社ある。少なくともCorning側から見て、ガラスと比較したサファイアのメリットとデメリットは(何か)?」(Fawcett氏)
Tripeny氏の回答は以下の通りだった。
われわれから見ると、Gorilla Glassと比べてサファイアにはデメリットが多数ある。コストはおよそ10倍以上で、重さは約1.6倍だ。環境にも優しくない。サファイアクリスタルの生成には、ガラス製造の約100倍のエネルギーが必要になる。ガラスよりも光の透過度が低いので、端末の画面が暗くなるか、バッテリの駆動時間が短くなる。また、割れるという問題もある。確かにひっかき傷には強いかもしれないが、それでも割れることはあり、当社の実験では、Gorilla Glassはサファイアと比べて約2.5倍の圧力に耐えられることが判明している。ゆえにサファイアについては、業界全体や流れから言って、家電に使用しても魅力がないというがわれわれの考えだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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