リクルートの「Air レジ」がSquare決済に対応--POSレジを新たな“ハブ”へ

 リクルートライフスタイルとSquareは3月5日、POSレジアプリ「Air レジ」とモバイル決済サービス「Square レジ」を、3月下旬に連携させることを発表した。これにより店舗は、テーブルごとの注文入力やクレジットカードによる会計、売上管理などの一連の業務を、スマートフォンやタブレットでできるようになる。

  • POSレジアプリ「Air レジ」

 Air レジは、小売業や飲食業などのレジ業務をiPhoneやAndroidスマートフォン、iPadなどで処理できる無料のクラウドレジアプリで、商品登録機能や会計入力機能、売上集計機能などを利用できる。レジで受けた情報はリアルタイムにクラウドサーバに連携され、売上額など店舗の状況をPCやスマートフォンからすぐに確認できるほか、レシート印刷機能やキャッシャー連携機能も搭載している。

 リクルートライフスタイル代表取締役社長の北村吉弘氏によれば、2013年11月のサービス開始から約3カ月でAir レジの登録アカウント数は3万を超えるという。ただし、これらの機能の利用にあたり初期費用や月額利用料はかからない。では、どうやって収益を得るのか。

 同社ではこれまで、グルメ情報サイト「ホットペッパーグルメ」や、ヘアサロン予約サイト「ホットペッパービューティー」などの“メディア”を通じて、店舗へ送客するビジネスモデルを確立してきた。そこで、このAir レジも「ひとつのハブ機能」(北村氏)と捉え、まずは無料で顧客に利用価値を体感してもらうことで、新たな送客モデルを構築していきたい考えだ。

  • リクルートライフスタイル代表取締役社長の北村吉弘氏(右)とSquareカントリーマネージャの水野博商氏(左)

  • リクルートのさまざまなサービスや機能と「Air レジ」を連携

  • 顧客の拡大に向けて飲食店2万店舗にiPad Airを無料で配布

 たとえば、Airレジに登録した店舗の空席情報を活用すれば、リアルタイムに座席のオンライン予約が可能になる。同社では、すでにホットペッパーグルメやポイントサービス「リクルートポイント」などとの連携を進めているという。また、インフラ環境を整えるため、3月末までに飲食店2万店舗にiPad Airを無料で配布するとしている。さらに、2月からはAirレジやポイントアプリ「Air ウォレット」を使って、観光地への誘客や地元店舗での購買を促すO2O(Online to Offline)施策を熱海エリアで開始した。

Squareとシームレスに連携

 Air レジの提供を開始して3カ月が経ったが、北村氏によれば店舗とのヒアリングを通じて、「決済サービスとの連携」を求める声が多く寄せられたという。そこで、スマートフォンデバイスのイヤホンジャックに切手サイズの端末を差し込むだけで、クレジットカードリーダとして使える「Square」に対応することにしたそうだ。今後は、Air レジで注文内容を入力をし、会計時に支払い方法としてSquareを選ぶだけでクレジットカード決済ができるようになる。決済手数料は3.25%。

  • 「Air レジ」の利用イメージ。注文情報を登録する

  • 会計画面。「その他」からSquareを選ぶとアプリ内で「Square レジ」が起動する

  • 支払いが完了。Air レジと連携したプリンタでレシートを印刷できる

 Squareカントリーマネージャの水野博商氏は、Air レジについて「これまでも同様の機能をもったサービスは世の中にあったが、それを無料で簡単に利用できることが非常に革新的だと感じた。このサービスを使えば日々の業務に追われている顧客を少しでも楽にして、本業である商売に集中してもらえるのではないか」と評価。両社が掲げるミッションの親和性の高さから提携を決めたと説明した。

 リクルートライフスタイルでは、2015年3月までに約10万店舗にAir レジを導入したい考えだ。また、Square以外の決済サービスとの連携も検討していきたいとしている。

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