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Facebookは“リア充”ばかり--ミクシィの“無意味”な写真で会話する新SNS「muuk」

藤井涼 (編集部)2014年03月03日 11時00分
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 「FacebookなどのSNSには美味しそうな料理や集合写真など“リア充”な写真ばかり。もっと自然体で日常の出来事の会話ができるサービスを作りたかった」――ミクシィは3月3日、すぐに消える写真を送りあって会話するメッセージアプリ「muuk(ムーク)」をiOSAndroid向けに公開した。ミクシィ取締役 最高事業責任者 mixi事業管掌の川崎裕一氏が先頭に立って手がけた新たなSNSで、ターゲットは10代だ。

  • ミクシィの川崎氏(右)と大崎氏(左)

 muukは、スマートフォンのカメラを使って撮影した写真に、自分の表情を加えて送れるメッセージアプリ。写真は3秒で消えるため寝起きの写真などでも気軽に送ることができる。FacebookやTwitter、mixiなどのソーシャルアカウントとは連携せず、アプリ専用のIDを教えあって友人登録をする。また、30日間連絡を取りあっていない相手は友達一覧から削除される。つまり、本当に仲のいい友達だけが自然と残っていく仕組みだ。

 アプリの使い方は非常にシンプル。最大9人までの送信相手を選んで対象物を撮影するだけだ。その際に撮影者の表情も前面カメラで自動で撮影され、そのまま送信される。送信履歴は残らないため、どんな写真を送ったかを見直すことはできない。メッセージを受け取った相手は、画面をタップしてから3秒間だけ写真を見ることができ、その後写真は消滅する。ただし、写真には32文字までのテキストを添えることができ、テキスト有りの写真は読む時間を考慮して、6秒間見ることができる。

  • 「muuk」の撮影画面。ボタンを押すと被写体を撮影し、同時に撮影者の表情を撮る

  • 送られてきた被写体の写真はボカシが入っており、タップすると3秒間だけ閲覧できる

  • 最大9人まで同時に送ることができる

 なぜ、写真とともに撮影者の表情も送るのか。その理由を川崎氏は「自然な会話の中には“目線の交換”がある。たとえば現実世界で、誰かとお茶を飲んでいる時にお茶だけを見つめながら会話することはないが、今のSNSはお茶の写真を眺めながら話している状態。muukはお互いの表情を見せ合うので、より会話に近いやりとりができる」と説明。2つのカメラを使ったスマートフォン時代ならではのコミュニケーションサービスを目指したと語る。

送ってほしいのは“無意味で無価値”な写真

 こうした機能だけをみると、10秒だけ写真を共有できるメッセージアプリ「Snapchat」と、前面と背面の写真が同時に撮れるアプリ「Frontback」を掛け合わせたサービスのように感じるかもしれない。しかし、これらのサービスとの明確な違いは「“今”だけを扱うリアルタイム性」だと川崎氏は強調する。

 たとえば、Snapchatでは送られたメッセージを開くまで写真が消えることはないが、muukでは閲覧されていてもいなくても、12時間経つとその写真は消えてしまう。「飲み会で盛り上がっている写真は、翌朝にはどうでもよくなっていたりする。この“テンションの違い”が大事」(川崎氏)。また、Frontbackは前面と背面の写真をそれぞれ撮り直せるが、muukでは前面と背面の写真が同時に撮影されて、そのまま送られるのでまさに一発勝負だ。

 「僕らのサービスでは写真も履歴も残らない。言い方は悪いかもしれないが、仲のいい友達同士で“無意味で無価値”な写真を送りあってほしい。いまのSNSでは投稿する前に『この文章や画像で良かったのか』とためらうこともあるが、muukだったら3秒で消えるので失敗した写真でも気にならない」(川崎氏)。


「muuk」の利用イメージ

 開発にあたっては、「シンプル」「ミニマム」「スピード」の3つのポリシーを意識したとミクシィの大崎敦士氏は語る。とにかく誰でも簡単に写真を送れて、友達と一緒にいるような“臨場感”を味わえることにこだわったのだという。muukというサービス名は、素の自分をさらけ出せる“無垢”と自分の殻を“剥く”という2つの言葉からアイデアを得たそうだ。

 また、ネット上でいつまでも写真を送りあうような使い方よりも、仲のいい友達と会えない時間を補完できるサービスとして活用してほしいと大崎氏は語る。「友達と遊んだ帰りに、まだ話し足りない内容をmuukで補ってほしい。どうでもいい内容を送りあって、もし覚えていたら次に会った時の話のきっかけになるようなサービスにしたい」(大崎氏)。

 川崎氏はmuukを「万人向けのサービスにしようとは思っていない」としながらも、2014年内に100万ユーザーを目指したいとしている。また、言語ではなく写真を中心としたコミュニケーションサービスであることから、4月以降には海外でも展開する予定だという。

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