では、スマートフォンで利用している検索サービスは具体的にどのようなものなのか。こちらに関してはYahoo! JAPANとGoogleが突出して高く、それ以外の検索サービスは全て全体の1割を下回った。PCにおいてもこの2つの検索サービスは利用率が高いと想定されるが、スマートフォンでも同様の傾向が証明された形である。ユーザーはPCで使い慣れている検索サービスをスマートフォンでも利用している模様だ。また新たな検索手法として注目度の高い音声検索は、上記2大検索サービスに続いているものの、まだ広く利用されているとはいいがたく、今後に期待したい結果となっている。
上記の利用検索サービスについて、その選択理由を聞いてみると、「手軽に検索できるから」といった検索の手軽さを評価する意見が最も高く、次に「パソコンでよく使っているから」「ずっとそのサービスを使っているから」が挙げられた。検索スピードや検索結果といった機能面よりも、手軽さや使い慣れているといった使い勝手の部分をより重視して検索サービスを選択しているユーザーが多いようだ(図4)。
ここまでスマートフォンにおける検索サービスの利用が非常に高いことについて述べてきたが、今度は検索連動型広告の利用状況について見てみたい。検索結果画面に表示される検索連動型広告に対する、スマートフォンでのアクションを聞いたところ、クリックする(「目的とするサイトが広告枠に表示されていればクリック」、「興味のある項目をクリック」)と回答したユーザーは約3割となった。クリックしない(「検索広告については基本的にクリックしない」「検索広告については表示は必要ない、邪魔と感じる」)と回答したユーザーが半数以上を占めており、それ程好意的に受け止められているわけではなさそうだ。とはいえ、目的や興味に合致する広告が表示されればクリックするユーザーがある程度存在していることから、表示文言などを工夫し、クリック率を高めることでスマートフォンからの流入数を増やすといった広告出稿は検討したいところだ(図5)。
続いて検索結果に対し、どの程度まで結果を見ていくかといった閲覧ページ数について見てみると、「2ページぐらいまで」と回答したユーザーが全体の約4割と最も多く、次に「1ページ目だけ」と「3ページ目ぐらいまで」と回答したユーザーがそれぞれ2割程度で続いている。一方、4ページ目以降は極端に減少しており、9割以上のユーザーが検索結果画面を3ページ目までしか見ていないことがわかる。この結果から、大多数のユーザーの目に触れるためには、少なくとも検索結果の3ページ目までには表示されるよう、SEO等の対策が必要であると言えよう(図6)。
以上、ここまでスマートフォンユーザーの情報収集手法、及び検索サービスの利用傾向について述べてきたが、スマートフォンユーザーはフィーチャーフォン利用時よりも、情報収集のツールとして携帯電話をより活用している様子が感じられる。その一方で、通信キャリアのポータルサイトを利用して情報収集を行うユーザーは減少し、「Yahoo!」と「Google」といった大手検索サイトやアプリ、またプリインストールされた検索機能を使って情報検索を行うフェーズに移行しているといえよう。
この状況を踏まえ、自社サイトにいかにユーザーを誘引するかを考えると、PCと同様に大手検索サイトへのSEO対策などが重要であるといえる。フィーチャーフォンにおいては、キャリアポータル上にあるメニューリストに表示された段階で一定のユーザー流入が期待できたが、スマートフォンにおいては、検索を中心とした積極的なユーザー引き込み施策が必要であろう。さらに、検索連動型広告の実施も視野に入れた取り組みが求められるのではないだろうか。スマートフォンユーザーの増加によってますます需要が高まる検索機能をうまく活用し、いかに多くのユーザーをサイトに誘導することができるかが、今後のサイト運営における重要な鍵であることは間違いないだろう。
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