ソニーは、11月に発売したハイレゾ対応のリニアPCMレコーダー「PCM-D100」(D100)の説明会を開催した。DSDとリニアPCM録音ができるハイスペックをいかした使いこなし方法などを紹介した。
D100は、2.8224MHz/1bitのDSDと192KHz/24bitのリニアPCM録音ができる、リニアPCMレコーダーのハイエンドモデル。口径15mmのマイクユニット、DSD用、リニアPCM用それぞれに用意されたADコンバータ、入力用、出力用、記録用、電源と4層基板から成る回路など、こだわりの回路構造と厳選部品を内蔵し、ライブ演奏の生録音などを楽しむユーザー向けに展開している。
最大の特長は、2.8224MHz/1bitのDSD録音に対応していること。サンプリング周波数2.8224MHzは、CD(44.1kHz)の64倍にあたる密度で、アナログレコードのような滑らかさが表現できるという。
ソニーでは、アナログレコードのような表現力を持つDSD録音に着目し、アナログレコードをD100にDSD形式で取り込むという使い方を提案。「生録音では年に数回しか使用シーンがないという人にも、DSDの高音質を身近に活用してもらいやすい」という。
D100を使って、DSD形式でアナログレコードをアーカイブすれば、アナログレコードの出し入れや、レコード針の取り扱いといった行為も必要なく、手軽に再生できることもメリットの1つだ。
説明会では、アナログレコードをDSD形式とCD同等の44.1kHz/16bitリニアPCM形式の2つで録音し、聴き比べを実施。ソースによって音質の差が出にくいものと出やすいものがあるそうだが、DSDでは、帯域の広いアナログレコードの音をそのまま録音でき、CDでは表現できないような音もきちんと再現できるとしている。
また、D100は「アップサンプリング」機能も備え、CD音質の録音もハイレゾに近い音で再生することも可能。アップサンプリング機能を使用すると音の広がり感が向上し、分離度が出てくるという。
D100は高さ156.8mm×幅72mm×奥行き32.7mmで、重量約395gのコンパクトボディで、発売時の店頭想定価格は10万円前後。 生録音というと、楽器演奏者やバンドを組んでいる人など使用する人が限定されてしまいがちだが、以前聴いていた音源をよみがえらせる効果もあるようだ。
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