ユーザーが自分の手で直接プライバシーを保ち、通信をコントロールできるとうたう、「Android」搭載の新しいスマートフォンが近々発売される。
Silent CircleとGeeksphoneは現地時間1月15日、スイスに本拠を置く新しい合弁企業を設立し、監視の目から逃れる機能を搭載した初のスマートフォン「Blackphone」を発売することを明らかにした。
Blackphoneは、セキュリティを重視した「PrivatOS」という名のAndroidビルドを搭載している。このスマートフォンは、どの通信事業者やベンダーからも独立した製品である点を売りにしている。個人および企業ユーザーは、この端末を使うと、プライバシーを危険にさらすことなく、セキュアな通話の送受信やテキストメッセージのやり取り、ファイルの転送や保存、ビデオチャットといった機能を利用できるという。
Blackphoneはさまざまなセキュリティ専門家や技術者によって開発された。開発陣には暗号化ソフトウェア「Pretty Good Privacy」(PGP)を開発したPhil Zimmermann氏、Geeksphoneの共同設立者Javier Aguera氏、PGP Corporationの共同設立者で、Silent Circleの最高技術責任者(CTO)を務めるJon Callas氏、Geeksphoneの共同設立者Rodrigo Silva-Ramos氏、Silent Circleの最高経営責任者(CEO)で、米海軍の特殊部隊Navy SEALsの元隊員でもあるMike Janke氏などが名を連ねている。
「私は自らのキャリアのすべてを、セキュリティに優れたテレフォニー製品のリリースに向けた取り組みに捧げてきた」とZimmermann氏は述べている。「Blackphoneは、プライバシーを確保し、自らの通信を確実にコントロールするためにユーザーが必要とするあらゆる機能を提供するとともに、ハイエンドスマートフォンに期待されるその他の機能もすべて搭載している」
Blackphoneは、バルセロナで開催される「Mobile World Congress」で披露される予定で、2月末には予約注文の受付が開始されるという。端末価格については、今のところ詳しい情報はない。
Geeksphoneはマドリードに本拠を置き、オープンソースのモバイルソリューションの開発と普及を手がけている。一方、ワシントンD.C.に本拠を置くSilent Circleは、暗号化通信サービスを世界規模で手がけている企業で、セキュアな電子メールサービス「Silent Mail」の提供でよく知られている。ただし、米国で政府当局による盗聴行為が次々と明らかになる中で、同社はこのサービスの終了をすでに決定している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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