またBallmer氏は、「過ちは業務戦略上のものだけではなかった。技術戦略上の過ちもあった。われわれは戦おうとしていたのだ」とも語った。
「この業界では、重要なことを正しく行うのが最も大事であるが、その次に強弱を付けて遂行するということも大事だ。人々は『あぁ、業界の変化がとても速い』と言いながら3秒ごとに、戦略を変更する時だと考えてしまう」(Ballmer氏)
しかし現実は「少数の大きな賭けだけが功を奏する」と同氏は続けるとともに、Appleの「タッチとローパワーに賭ける」という戦略が同社に成功をもたらした点を指摘した。また、Googleは検索に大きく賭けた。MicrosoftはPCとソフトウェアに賭け、最近では「Windows Azure」でデータセンターに賭けている。
MicrosoftはLonghornにおいて、誤ったテクノロジアプローチから出発し、同社のテクノロジリーダーシップの焦点をぼやけさせ、強弱の付け方をたがえたのである。
Longhornはいわば裂け目に落ちていったようなものだ。Ballmer氏は「これはBill(Gates氏)のせいではなく、(Windowsの前の責任者)Jim(Allchin氏)のせいでもなく、私がうまく対処できなかったせいなのだ」と認めた。
「振り返って見ると、これは一種の焦点の問題だったと言えるだろう。というのもエンジニアリング上の強弱や、把握可能なレベルにまでかみ砕いたアプローチ、目の前にある大きな賭けとは何かといった必要なものごとに集中できていなかったためだ」(Ballmer氏)
また同氏は「CEOとして最初の一歩を踏み出した時こそがおそらく最大の過ちを犯した時だと私自身認める用意がある。そしてわれわれがこの5年か6年の間に行ってきたことの多くは、私がCEOになった最初の頃に私とBill、そしてJim Allchin氏が犯したとも言える過ちを挽回するための取り組みであった」と述べた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス