磁石で接続する充電ケーブルも刷新された。新しいケーブルは、従来のものより小さくなったほか、何本もの充電ケーブルが入った鞄の中で目立つように色づけされている。また、よりしっかりと固定できるように磁石も大型化された。
鋼鉄製ボディの周囲に取り付けられた新しいアンテナは、金属製ケース内のBluetooth受信感度を高める働きをする。そして、Pebble Steelは前機種と同様、防水仕様だ。もちろん、付属のオプションのレザーバンドはプールでの使用にはあまり適さないが、Steelとレザーバンドの組み合わせは非常に相性がいい。また、この価格で、レザーバンドが同梱されているのはうれしいことだ。
最高経営責任者(CEO)のEric Migicovsky氏によると、Steelとともに、公式アプリストアも「1月中」に開設される予定だという。公式アプリストアは、ずっと前からPebbleに欠けていたものだ。筆者はESPNやYelp、Mercedes、Pandoraなど、いくつかのパートナーアプリのデモを見せてもらった。これらのアプリの中には驚くほど革新的なものもあった。Mercedesのアプリ(車内で使用されているところは見ていないが、展示会場のMercedesのブースでデモが行われている)はMercedesの新型車と同期し、タイヤ圧のような自動車の修理に関する状態や情報を入手することができる。また、ドライバーは運転時にPebbleのボタンから車内の機能を有効にできるようにカスタマイズすることも可能だ。
ESPNのアプリは、さまざまなスポーツの簡潔なスコアボードを表示する。Pandoraアプリでは右側のボタンを使って、再生中の楽曲を評価することができる。Yelpは、スマートフォンのGPSと連携して近辺の魅力的な場所の情報を提示し、手首を振ることで新しいお勧め情報を表示させる機能を提供すると約束している。
Pebbleのボタンの数はそれほど多くない(正確には4つ)ため、携帯電話やタッチスクリーンデバイスのように簡単に操作できないこともあるだろう。しかし、PebbleとPebble Steelは、サムスンの「GALAXY Gear」やOmateの「TrueSmart」のようなフル機能を備えた「スーパーウォッチ」というコンセプトではなく、「よりスマートなウォッチ」を目指しているように思える。Pebble Steelの新しいデザインは素晴らしいが、実際のところ、Pebbleをより良くする最大の方法は、通知や時計盤、奇妙なゲーム以外の次世代ソフトウェアおよびアプリを同スマートウォッチ上で利用できるようにすることだろう。
筆者が唯一の問題と考えているのは、Pebble Steelに現行世代のPebbleより100ドル高い代金(現行世代の1.5倍の価格)を払ってもらうのは大きなお願いだということだ。何と言っても、ほとんどの変更点が外観に関するものであるように思えるからだ。その上、初代Pebbleは今でも販売されており、Pebble Steelと同様に、まもなく開設されるアプリストアも利用できる。Pebble Steelの249ドルという価格は、GALAXY GearやQualcommの「Toq」の価格に近づいている。高級感のために手ごろな価格を犠牲にするのは、勝算の高い賭けなのだろうか。
いずれにせよ、Pebble Steelとアプリストアの組み合わせは「Pebble 2」と呼ぶべきものになりそうだ。Pebble Steelのデザインが大幅に向上していることは否定のしようがない。2014年がPebbleにとってどれほど良い年になるのかは、今後の成り行きを見守るしかないだろう。しかし、Pebbleが良いスタートを切ったことは確かだ。なぜなら、今後、大手の競合他社が参入してくるだろうが、それがどれだけ早く現実になるのかは、誰にも分からないからだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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