一般社団法人次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)は12月26日、2014年の4K試験放送に向け中間発表会を開催した。衛星放送同様の環境で4K60P映像のリアルタイム伝送を実施した。
NexTV-Fは、4K8Kなどの次世代放送サービス開始を目指し、大学、放送、通信、テレビメーカーなどが参加する一般社団法人。2013年5月に設立され、11月にはスカパーJSATとともに、衛星回線でつないだ4Kライブビューイングを実現している。
NexTV-Fの事務局長である元橋圭哉氏は「NexTV-Fでは、2014年の試験放送に向けて機材調達やチューニングなどをしている最中。放送開始への準備は技術的には順調に進んでおり、開始ギリギリまでクオリティを高めたい」とコメントした。
今回の中間発表では、2014年に試験放送が開始される4K放送システムを模した形でのデモ1と、8K放送を実現する際に目標とする映像技術の一端を見せるデモ2の2つのデモを実施した。
デモ1では、4Kカメラで撮影した映像を、HEVCでリアルタイム符号化し、映像データを高度狭帯域伝送方式で伝送、4Kモニタで再生する4K放送システムを構築。変調、復調処理をしているほか、擬似衛星回線を用いるなど、実際の4K放送環境に即した形で実施された。
11月の開催も含め、スカパーJSATでは現在3回の4Kライブビューイングを実施している。いずれも映像圧縮方式にはH.264/MPEG-4 AVCを使用しており、HEVC(H.265)による、4K60Pのリアルタイム符号化と伝送を実現したのは今回が初めて。衛星伝送路は40.5Mbps。今回のデモにおける4K映像は35Mbps程度としており、家庭用の衛星アンテナでも受信できることを想定しているという。
デモ2では、2016年以降の4K HEVC符号化LSIの利用を想定した映像品質とし、HEVC LSIを想定したソフトウェアにより、4K映像の符号化品質を4Kモニタで確認した。
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