Telepathy井口氏「簡単でないからこそやっている」--デバイスの発売は2014年に

岩本有平 (編集部)2013年11月12日 16時25分

 スマートフォンが人々の生活に浸透しはじめた今、その「次」として注目を集めつつあるのがウェアラブルデバイスだ。GoogleのGoogle Glassが米国で登場し、国内でもNike FuelBandやFitbitが購入できるようになるなど、徐々にではあるが着実にその波が来ている。

 そんな中で11月12日に開催された、ブログメディア「TechCrunch Japan」主催のイベント「TechCrunch Tokyo 2013」。最初のセッションでは、ウェアラブルデバイス「Telepathy One」を開発するTelepathy 創業者兼CEOの井口尊仁氏、そして同社に投資したFirsthand Capital Management 最高投資責任者のKevin Landis氏が登壇。「ウェアラブル革命 シリコンバレー最前線」と題して、TechCrunch Japan編集長の西村賢氏とともに開発中のデバイスや、シリコンバレーにおけるウェアラブルデバイスの現状について語った。

 登壇した井口氏が頭に付けるのが、Telepathy Oneのモックアップ(外観模型)。実物にはここにカメラやディスプレイ、マイクロコンピュータ、バッテリー、コミュニケーションユニットなどが組み込まれる「オールインワンのコンピューター」(井口氏)になるという。ここからは3者によるトークセッションの様子をご紹介する。

西村氏:Telepathy OneはGoogle Glassと何が違うのか。

井口氏:Google Glassはまだ日本にはない。

西村氏:入ってきていないことになっているが、一部で見たことはある。

井口氏:存在しないものと比べるのは難しいが、我々は汎用的なコンピュータではなく、コミュニケーションにフォーカスしている。ウェアラブルデバイスでもっと快適に、ストレスなく常にコミュニケーションができるようなデバイスに開発している。

西村氏:常にコミュニケーションをするというのは電源がつきっぱなしになるが、(モックアップを指して)小さな筐体に入るのか。

井口氏:そこが課題。どういう風にバッテリマネジメントするかを彼ら(Google)は頑張って開発している。我々も同じ。

西村氏:シリコンバレーでGoogle Glassやウェアラブルデバイスはどう見られているのか。

Kevin氏:携帯電話がスマートフォンにになり、それが“電話以上”のものになっていったという進化があった。薄い板があればたくさんのことができるようになった。ウェアラブルデバイスはその次の論理的な拡張になる。

 ウェアラブルデバイスには2つの種類がある。Fuelbandやjowboneなどはデータ収集をする。それをスマートフォンなどにストリームバックする。もう一方は、データを自分にディスプレイする。それがGoogle Glass。でもほかのものもあり、おもしろい分野だ。

西村氏:Google Glassは声で操作する。Telepathyはどうなっているのか。

井口氏:話したいが、広報から止められている(笑)。基本的な考え方は人間対人間のコミュニケーションを、ウェアラブルを通じて簡単に楽しくするかテーマ。ユーザーインターフェース(UI)はなるだけなくす、忘れていただくような「透明な操作性」を目指して頑張っている。

西村氏:それはジェスチャーや音声と言うことか。

井口氏:はい、いろんなものがある。詳しく語れないのは申し訳ないが、方法を模索している。

西村氏:なぜシリコンバレーで資金を調達したのか。また、オフィスはシリコンバレーと日本に構えているが、チームの状況はどうなっているのか。

井口氏:日本はハード開発がメイン。特に光学。マイクロディスプレイなどは日本の強い分野。その辺は東京のチームが頑張っている。エレクトロニクス、Wifiコネクションなど。シリコンバレーは基本的にはソフトウェアが強い。OSやUI、コアアプリケーションはシリコンバレーでやっている。

西村氏:日本のデバイスメーカーはウェアラブルデバイスをやってない。この温度差、時差をどう感じているか。

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