井口氏:とは言え、Google Glass以外でアイウェア型のウェアラブルコンピュータを真面目に、積極的に開発しているメーカーは東京に限らずシリコンバレーでも非常に少ない。
それは光学だけでなく、バッテリ、プロセッサー、アプリと非常に大きな問題を抱えている。とは言えユーザーは高いバリューがないと受け入れない。日本が遅れているというわけではない。
西村氏:アップルにしても、実はアジアのテクノロジーが入っているところがある。その点では、日本とシリコンバレーの両方をつなぐような起業は有利か。
Kevin氏:もちろん。いろんなつながりがある。太平洋を通したネットワークがある。製品の外に出ている名前だけでなく、製品の中にもいろんな名前が入っている。
賢い会社は必要な場所に行って必要なものを持ってくる。そして最高のものを組み立てる。そうして初めて市場に出せる。
西村氏:腕時計型など、ほかにもいろんなウェアラブルがある。なぜあえて“頭”のデバイスに向かったのか。
井口氏:コンピュータのテクノロジーはキーボード、タッチパネルなど、UI、ディスプレイ、モニタが進化を遂げてきた。かつてMacintoshはGUIとマウスで大きな時代を作った。iPhoneも、タッチパネルと当時では非常に大きいスクリーンでスマートフォンの時代を作った。
ウェアラブルはディスプレイを常にウェアできる。大きいチャレンジだが、ウェアラブルに最適化された最高のUIを実現したい。Google Glassもそこを大きい予算と高いR&Dの能力でやりきろうとしている。
新しいコンピュータの使われるスタイル、アプリ、OS、エコシステムを大きなパラダイムシフトとしてやれるチャンスがある。非常に大変だ。
西村氏:朝起きて腕時計は付けるが、メガネを掛けない人には(頭に付けるデバイスは)課題ではないか。
井口氏:それを考えると夜も眠れないし朝も起きられない。「モーニングプロブレム」と「イブニングプロブレム」がある。朝持っていくデバイスは限られている。また夜は電源をリチャージするが、そんなデバイスは数個。それをクリアするためにはデザインもテクノロジーも優れたものでないといけない。なかなか大変な開発だと思う。
西村氏:会場も聞きたいと思うが、本当に作れるのか。Google Glassより安く、小さいものが。いつぐらいに出てくるのか。
井口氏:値段やリリースのタイミングは申し上げれないが、ウェアラブルを開発できるかというと僕ら以外であってもそんなに大変ではない。
ただキラーアプリが何か、それを最高に快適に、気持ちよく使える、UIやバッテリーコントロール、チップセットのコントロール、ディスプレイの性能や機能含めて決して簡単ではない。
だが簡単でないからこそやっているというと変な言い方だが、我々はスタートアップ。誰もができて想像できることをやってもイノベーションはない。すごく厳しい挑戦ができて良かった。
西村氏:(発売は)2014年でよいのか。全世界リリースをするのか。
井口氏:2015年になると、競争のチャンスがなくなってしまう。2014年中にすばらしいものを提供できるかが重要。まずは米国のマーケットに向けて最初の製品をリリースする予定。
西村氏:Kevin氏が注目している製品、企業は何か。
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