サイト内検索サービス「MARS FINDER」など、サーチテクノロジをベースにしたサービスやソリューションを提供するマーズフラッグが、10月にシンガポールに駐在員事務所を開設した。同社が海外に拠点を構え、従業員を常駐させるのは今回が初めてだ。
マーズフラッグは、1998年に有限会社ビーボイドとして創業。2004年に現在のマーズフラッグに社名を変更し、検索関連サービスに特化して事業を展開してきた。2006年に主力のサイト内検索サービス「MARS FINDER」を開始。以来、ベンチャー企業ながら三菱電機、キヤノン、ホンダなど国内の大手企業での導入実績を重ね、現在では電機、自動車、飲料など各種業界でトップシェアを誇っている。
今回のシンガポール駐在員事務所の開設は、東南アジアで顧客を開拓することが狙い。国内ですでに契約し東南アジアに進出している顧客企業への直販と、主にローカル企業を対象とした販売代理店を通じた新規顧客の獲得を目指す。販売代理店が扱う主力商品は、ITリテラシーがさほど高くないユーザーも自らカスタマイズできるサイト内検索サービス。すでに代理店2社との契約を締結し、販促活動を開始している。
駐在員事務所に常駐するのは、マネージャの須内仁志氏。主に、代理店の担当者を教育し、販促活動を後方支援する。具体的な数値目標は明かせないとしつつも、2014年度中の黒字化、3年以内の法人化を目指す。さらに須内氏は「日本本社との売上比率を逆転させ、アジアにも開発拠点を構えたい」としている。
先にも述べたように同社が海外拠点を構えるのは初めて。その場所にシンガポールを選んだ背景には、2008年のリーマンショック以降、アジアに進出し、さらにウェブマーケティングを強化する企業が相次いだことがある。これによって、アジアに進出する企業のコーポレートサイト上のコンテンツが増大したため、サイト内検索の利便性に対する需要は今後間違いなく伸びると見込んでいる。
さらに、CMS、アクセスログ解析、サイト内検索がコーポレートサイトの“三種の神器”と言われるようになり、またグローバル企業がサイトの管理を国ごとではなくヘッドクォーターに一極集中させるトレンドに変化。多くの企業がアジアのリージョナルヘッドクォーターをシンガポールに開設することを受けて、この国を拠点に選んだそうだ。
このほかにも、事業を展開する上でのインフラ、特にデータセンターを置くためのITインフラや、周辺国と行き来するための交通インフラが整備され、充実していることなどが背景にあるという。
サイト内検索は日本ではすでに欠かせないツールとなっているが、東南アジアではまだ啓蒙が必要な段階だという。マーズフラッグのファウンダー 兼 代表取締役社長を務める武井信也氏は「(大きなニーズの波が)明日来るか、来年来るかは分からない。ならば、自分たちで作ろう。作ればマーケットリーダーになれる。リーダーになれば、安くて一番良いものを作れる。日本で自分たちがそうしてきた学習効果はある」と意気込みを語った。
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