ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)から11月14日に発売予定の新型ゲーム機「PlayStation Vita TV」(PS Vita TV)。発売に先駆け、同社内にてメディア体験会が開催された。
すでに発表されているように、PS Vita TVは携帯型ゲーム機「PlayStation Vita」(PS Vita)のチップセットとシステムソフトウェアを採用した据え置き型ゲーム機。サイズは胸ポケットにも入る程度の手のひらサイズで重量も約110gと、これまでに発売されたプレイステーションハードのなかで最も小さい。PS Vita用のゲームが遊べるほか、各種エンターテイメントサービスを楽しめるのも特徴。価格は本体のみで9954円、コントローラやメモリーカードなどを同梱したバリューパックは1万4894円となっている。
ホーム(メニュー)画面や操作について、一部項目やタッチ操作ができないことを除けばPS Vitaと基本的には共通。特に好印象と感じる点は、動作がスピーディで軽快であることだ。PS Vitaと変わらない操作感ではあるが、テレビにつなぐ機器でストレスを感じさせない動作の快適さを持ち込んでいるのは大きい。さらに電源のオンオフについてもスタンバイモードを備えているため、電源オンからすぐに操作が可能。起動時間がかかりがちなテレビ周辺機器として、このあたりも魅力的だ。
ゲーム機としてのPS Vita TVは、もちろんPS Vita用ソフトのプレイが可能。ワイヤレスコントローラであるDUALSHOCK3で操作をする。PS Vitaでのタッチ操作については、アナログスティックを押し込むことにより仮想タッチ操作ができる。ジャイロセンサーなどの機能を使って遊ぶタイトルは未対応となっている。PS Vitaとのアドホック通信によるマルチプレイは可能だ。
体験会では、バンダイナムコゲームスから発売される「GOD EATER 2」を、4K BRAVIAの大画面でプレイする機会があった。テレビのアップスケーリング機能もあると思われるが、大画面にもかかわらずくっきりと表示されていた。もちろん文字などをよく見ると拡大表示の荒さもあるのだが、普段のプレイでは気にならないレベル。プレイも遅延などを感じることなく、PS Vitaで遊んでる感覚と同等といえる。
PS Storeを通じて初代プレイステーション用ソフトをダウンロード販売する「ゲームアーカイブス」にも対応し、コントローラーも2台まで接続できるため、2人プレイも楽しめる。ほかにもPS4本体を設置している部屋とは別の部屋でも、PS4のゲームを遊ぶことができるリモートプレイにも今後のアップデートで対応する。リモートプレイに関して、わずかに遅延や画質の低下もあると説明があり、体験会で展示されていたものはデモ段階ということもあるが、触った感覚ではアクションゲームも遊べなくはないと感じた。
ゲーム以外にもさまざまなコンテンツを楽しめる機能を有している。特にネットワークレコーダー「nasne」と連携する専用アプリ「torne PlayStation Vita TV」が魅力。機能はすでにPS3やPS Vitaでリリースされているtorneと変わらないが、高速で動作する操作感は継承。映像再生や早送り、巻き戻しなどのレスポンスの良さも高く、PS Vita TVのスタンバイからの復帰ですぐに利用できることを考えると、これだけで十分魅力的だ。なお、PS Vita TV用のtorneでは720pでテレビに出力されるという。
ほかにもPS Storeのビデオコンテンツや、TSUTAYA TV、niconico、Hulu、スカパー!オンデマンド、TBS 世界遺産セレクション、DMM.com、テレビドガッチ、U-NEXTといったビデオ配信に対応。さらに電子書籍のReader、音楽配信のMusic Unlimited、JOYSOUND TV、radikoといった各種サービスにも対応する。LiveTweet for PlayStation VitaというTwitterアプリも用意されている。
テレビに接続するエンタメ機器でも、このPS Vita TVは、すでにプレイステーション関連製品やサービスを利用しているユーザーが、その楽しみをより拡張できるという魅力にとどまらず、nasneとの連携やビデオ配信サービス用の端末としてもレスポンスや操作性の快適さからとても魅力的だ。単体では1万円を切る価格も、それを後押ししている。すでにPS3やPS Vitaを持っているユーザーや、どちらも持ってないユーザーでも訴求できる完成度の高い製品であると感じている。
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