旧型サムスン端末の輸入差し止め命令、米大統領審査期間の終了迫る

Josh Lowensohn (CNET News) 翻訳校正: 湯本牧子 吉武稔夫 (ガリレオ)2013年10月08日 11時54分

 サムスンは新製品のスマートウォッチ 「GALAXY Gear」をアピールしているが、米国では一部の旧端末に対する輸入差し止め命令の執行まで時間がなくなりつつある。

 米国際貿易委員会(ITC)は8月、サムスンがAppleの特許2件を侵害したとの判断を示したが、この裁定を覆すことのできる米大統領審査期間は米国時間10月8日に終了する。

 サムスンによると、今回の輸入差し止めの影響を受けるのはごく「わずかな」数の製品にすぎないというが、2011年初めからサムスンと大規模な法廷闘争を繰り広げてきたAppleには大きな勝利となる。

 輸入差し止めの対象になる製品のリストはない。その代わり、この輸入差し止め命令は「電子メディア機器」と定義されるガジェットに影響を及ぼす。

 サムスンは、今後8日までに輸入差し止めを覆すことのできる米通商代表部(USTR)への嘆願書で、輸入差し止めが執行されれば危険な前例を作ることになると主張した(PDF)。USTRは2013年、Appleがサムスンを相手取って提訴した別のITC訴訟で、実際にITCの裁定を覆している。

 サムスンは8月に提出した書類で次のように述べていた。「USTRは目先の影響にとどまらず、施策が及ぼす広範で長期的な影響を考慮するべきだ。スマートフォンなど高度に洗練された電子機器については、問題とされる製品のごく一部の機能だけを対象とした比較的重要でない特許を根拠とするITCへの提訴が増えている」

 ITCは、サムスンに対する訴訟において、同社がAppleの特許2件を侵害しているとの判断を下した。1件はタッチスクリーン技術に関するもので、もう1件はヘッドホンジャックに関するものだ。その後サムスンは当該特許を回避した設計を提示し、これがITCの承認を得たことで、これらの製品は輸入差し止めを免れてきた。ただしサムスンは嘆願書の中で、輸入差し止め命令が執行されれば最初の申し立てには含まれていなかった他の端末にも波及する可能性があるとして、次のように述べている。

 原告側が、調査の範囲を広く定義しながら狭いカテゴリの製品に基づいて侵害を証明しようとする懸念すべき傾向が強まっている。このような戦略が向かう結末は、ITCがこれまでに裁定を下したこともなく、ましてや侵害の事実も認められていない多くの製品を対象とし得る広範な救済命令だ。

 今回の輸入差し止め命令は、米政府機関の多くが閉鎖されている中で最終期限を迎えることになった。米税関や裁判所など一部の部門は「不可欠」と見なされ、業務を続けている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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