「ペーパーレスはゴールではない」--Evernoteが進める5つの戦略 - (page 2)

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ペーパーレスはゴールではない

CEOのPhil Libin氏
CEOのPhil Libin氏

 紙をEvernoteに取り込む方法を拡充するEvernoteだが、Libin氏は「ペーパーレスが我々のゴールではない」と語る。これまでもWindows、Mac、iOS、Androidとさまざまなデバイスやプラットホーム向けにアプリを開発しているが、「それぞれのプラットホームのユーザーが求めるスタイル、機能、デザインに合わせてを開発している」と説明する。

 その新しい領域がウェアラブル分野だ。Google GlassやGALAXY Gearといった身につけるデバイスがEvernoteに対応している。今後もこの分野は広がっていくと思われるが、GALAXY Gearを腕に付けたLibin氏は「今は早過ぎると思うかもしれないが、1年後には当たり前になっている。そこに早くコミットして体験しながら作ることが重要だ」とした。

 また今回はEvernoteとコラボレーションしたカバンも2種類リリースされた。1つはフランスのCote&Cielからリュックサック、そして日本のブランドabrAsusからブロガーのいしたにまさき氏がデザインするTriangle Computer Bag(開くPCバッグ)もラインアップに入った。いしたに氏によると、およそ8カ月にわたってEvernoteと協業してきたと語り、色味や仕様などを細かく協議しながら作ったそうだ。

 Evernoteがこうしたデジタルノートとその周辺までカバーする様子こそが、「ペーパーレスがゴールではない」という言葉を象徴している。同時に、ソフトウェアだけでなくハードウェアにも取り組まなければ、Evernoteによる問題解決が達成されないという考え方を表してもいる。

まるで「オープンなApple」--Evernoteが取り組む5つのパートナー戦略

 Libin氏も日本で受け入れられているプロダクトとしてApple、iPhoneを例に挙げる。Appleは、ハードウェアとソフトウェアの両方を1社でデザインしながらプロダクトを完成させているが、Evernoteはソフトウェアやクラウドは同社で、それ以外のプロダクトはコラボレーションによって、実現している。

 しかしLibin氏は、プログラマである自身も含め、プログラマやユーザーインターフェースのデザイナーがデザインや機能を考えることは、問題解決を目指す意味で非常に重要なことだという。例えばソックスにまつわる問題をどのように解決するかを考えることは、ライフスタイル・プロダクトとしてのEvernoteをデザインするために必要なことを気づかせてくれると話す。

 Evernoteにとっては、ソフトウェアを作る上で大切な「感覚」を集める作業であり、その結果がEvernoteアプリやサービスにフィードバックされる。またEvernoteのユーザーが、デジタルノートというツールを中心とした体験全体をより良くするための環境を揃えるための取り組みと言える。

 Libin氏はこうしたEvernoteのブランドとのコラボレーション戦略について、次の5つを挙げた。

5つの戦略

  • 1)フィジカルなものにデジタルな機能をつける。例えばモレスキンやPost-itは、新しい意味を持つようになる
  • 2)ライフ・ワーク・バランス。仕事だけを良くするだけでなく、生活全体も含めて使うことができるようにする
  • 3)世界中から探す。ユーザーの大半は米国外におり、その土地のユーザーのスタイルや声に目を向ける
  • 4)生活に不可欠なアイテムを選ぶ
  • 5)ソフトウェア・ハードウェアの両面でデザインする

 こうしたコラボレーション戦略で幅広く展開しながらも、Evernoteのビジネスモデルは引き続き、ユーザー課金にフォーカスするという。ユーザーとの対話や、どのようにしてユーザーの問題を解決するかを目指した展開を目指す。

 筆者は初回に行われた2011年のEvernote Conferenceにも参加したが、会社の規模も聴衆の規模もガラリと変わった。しかし100年続く企業という理念とユーザーにフォーカスしたビジネスモデルはしばらく不変であろう。しかしその道のりは平坦というよりは、自らをダイナミックに変化させ、さまざまな仲間と協力しながら発展していく企業となるはずだ。

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