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「LINEのようなヒット作を生み出す」--NHN PlayArt加藤社長インタビュー

藤井涼 (編集部)2013年09月26日 08時00分
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 4月1日付で、会社名をNHN Japanから現在の名称に変更したLINE。同社はこの際、「ハンゲーム」をはじめとするゲーム事業を分社化し、新会社のNHN Japanに集約した。当初は会社名をHangameにする予定だったが、NHN Japanとして長年ゲーム事業を展開してきたこともあり、分社化のタイミングでは同様の商号で展開することにしたという。NHN Japanはその後、8月1日付で会社名をNHN PlayArtに変更した。

 分社化後も次々と新サービスを発表し、8月には来場者が1200人を超えるビジネスイベントを開催するなど、積極的な情報発信を続けてきたLINE。その一方で、これまで大きな露出をすることなく、具体的な事業内容も謎に包まれていたのがNHN PlayArtだ。そこで、分社化から約半年が経った同社の現状やゲーム事業の今後について、NHN PlayArt代表取締役社長の加藤雅樹氏に聞いた。


NHN PlayArt代表取締役社長の加藤雅樹氏

――4月に分社化した際、LINEの森川社長は「最大の目的はプラットフォーム(LINE)とコンテンツ(ゲーム)を切り分けること」と語っていました。改めて、NHN PlayArtの視点から見た分社化の狙いを教えてください。

 我々としては、ゲーム事業に特化した開発会社として生まれ変わろうという思いがありました。これまではどちらかというと、ハンゲームというゲームプラットフォームの運営会社の位置づけの方が市場からみても大きかったと思います。ただ、それではいけないということで、ハンゲームはきっちり続けていきながら、新たにゲーム開発にも注力していこうということで分社化を選びました。

――8月1日付で商号をNHN JapanからNHN PlayArtに変更しました。

 商号を変える際にはいろいろと悩みましたが、せっかく変えるチャンスがあるのだから、自分たちの思いの丈をグッと入れた名前にしたいと考えました。会社名の“Play”は日常のちょっとした楽しさ、“Art”は芸術ではなく創造するという意味です。日常のちょっとした喜びや楽しさを創造し続けて、それらをコンテンツとして顧客に提供していこうという思いを込めてNHN PlayArtという社名にしました。

 また韓国の親会社であるNHNエンターテインメントは、一般的な外資系企業と違ってそれぞれの国で独立してやりなさいという、比較的オープンな会社でもあります。やはり会社名に「Japan」とつくと子会社というイメージを持たれてしまうので、自分たちからも、しっかり日本のゲームコンテンツや技術を海外に発信していきたいという思いがあり、現在の名前に変えたというところですね。

――分社化して約半年が経ちました。社内の環境や開発スピードに変化はありましたか。

  • NHN PlayArtのオフィス

 もうね、めちゃめちゃ変わりましたよ。これまでとは別会社と言ってもいいほどに。NHN PlayArtでは社長と社員が同じ目線で気軽に相談できる雰囲気を作りたいと思っていて、私自分もしょっちゅうフロア内をフラフラして社員に声をかけているんです(笑)。やはり、自分たちが本当に楽しんでモノを作らないと、それは顧客にも伝わらないと思います。ですので、仕事の中にも笑いや楽しさを持たせるというのが私のポリシーですね。その効果もあってか、社内も「どれだけ面白いモノを作れるか」ということしか考えない雰囲気に変わってきていて、ちゃんとモノ作りの会社になってきているという実感はありますね。本当に毎日変わっていますよ。その速度たるや、どこの会社にも負けていないんじゃないかと思っています。

――NHN PlayArtが現在、手がけているゲームタイトルについて教えてください。

 ざっくりですけど、スマートフォンゲームでいうと「LINEゲーム」のタイトルの開発が3分の2くらいを占めていて、その他のオープンマーケットのゲームが3分の1くらいですね。分社化前から手がけていたのは「LINE POP」や「LINE 勇者コレクター」などです。分社化後は(公式アバターサービス)「LINE PLAY」内のミニゲーム「つりとも」や「LINE 忍者ストライカーズ」「LINE シアタータウン」などを開発してきました。現在は、先日LINEのカンファレンスでも発表された「REVENANT GATE」や「FISH ISLAND」などを開発しているところです。さらに、今後はLINEゲーム以外のオリジナルタイトルもどんどん提供していく予定です。

 また、最近はスマートフォンゲームの勢いがありますが、PCオンラインゲームのハンゲームも引き続き多くのユーザーに楽しんでいただいています。やはりハンゲームあってのNHN PlayArtですので、既存のPC向けゲームも今まで以上に、積極的に展開していきます。ただしこちらは、自社でゲームを開発するというよりは、大手メーカーと共同開発したり、海外から有力タイトルを持ってくることが多いですね。先日発表した「イナズマイレブンオンライン」もレベルファイブとの共同開発のタイトルです。

  • 「つりとも」

  • 「LINE 勇者コレクター」

  • 「LINE 忍者ストライカーズ」

――分社化する前と比べて開発体制にも変化はありましたか。

 もちろん変化しています。たとえばLINEゲームでいうと少し前にLINE POPがヒットしました。このLINE POPと、いま非常に人気がある「LINE ポコパン」はやはりゲーム性が違いますよね。時間が経つにつれて、顧客が求めているものや楽しさが変化しているということです。そこをこれまで以上にチェックしながら、日々どうやってゲームを作り込んでいくかを考えながら進めているところです。

 ゲームってコンテンツとしての中身だけじゃないところにも楽しみがあったりすると思うんです。たとえば社会的な情勢なども関わっていて、苦しいことが多い時代であればそれから解放されるような楽しさや感じ方ができるようなゲームを提供したいと思います。ただ、ちょっとした喜びというのは時代によっても違いますし、それぞれの人によっても違うと思います。簡単ではありませんが、そういったことを想像しながらモノづくりをしていきたいと思っています。

――今後もLINEゲーム向けのタイトルの開発が中心になるのでしょうか。

 「何割をLINEにする」というのは決めていません。やはりLINEは最重要パートナーですので、そこに向けたゲームはしっかり作っていくと。それに加えて、オリジナルタイトルもどんどん作っていくという感じです。またLINEのゲームはどちらかというと、これまでゲームに触れていない方が多かったように思います。ですので今後もライトなゲームを提供していくかもしれませんし、今までLINEでは提供していなかったようなゲームを皆さんが遊んでくれるかもしれません。そこは状況を見ながら考えていくということですね。

――ゲームプラットフォームである「Mobage」や「GREE」、リアルグラフを活用した「LINEゲーム」、大ヒット中の「パズル&ドラゴンズ」など、多様なゲームタイトルやビジネスモデルが生まれている現在のスマートフォンゲーム市場をどのように捉えていますか。

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