ソニー・コンピュータエンタテインメント代表取締役社長 兼 グループ CEOのアンドリュー・ハウス氏は9月19日、幕張メッセで開催中の「東京ゲームショウ 2013」の基調講演で登壇し、2014年2月22日に日本で発売予定の据え置き型ゲーム機「PlayStation 4」(PS4)の開発コンセプトや、同社が目指す未来について語った。
一昔前までは専用機だったゲーム機も、いまでは音楽や映像も楽しめる総合エンターテインメント機へと進化している。しかし、アンドリュー氏によればいわゆる“コアゲーマー”も増加傾向にあるという。たとえば、9月17日(日本は10月10日)に発売された「Grand Theft Auto V」(PS3/Xbox360)は、初日で8億ドルもの売上げを記録したという。「彼らは決してニッチなターゲットとはいえない」(アンドリュー氏)。
また、ゲーム機をネットに接続してオンライン対戦を楽しめるようになったほか、スマートフォンやタブレットの普及を背景に、他のユーザーとゲーム体験を共有できるソーシャル要素を求められるようにもなってきている。さらに、基本無料のゲームやダウンロードコンテンツの販売といったビジネスモデルの変化も訪れている。
アンドリュー氏は、こうした現状を踏まえて、次世代のゲーム機で求められるのは、コアユーザーが満足できる質の高いゲームを提供しながらも、より優れたユーザーインターフェースでネットワークコンテンツを利用でき、家族や友人とも一緒に楽しめるデバイスだと語る。そのため、PS4では以下の4点に重点を置いて開発を続けてきたという。
また、同社がこだわってきたのが、デベロッパーが容易にPS4向けタイトルを開発できるようにするツールの提供だ。現在は約620社がPS4向けタイトルの開発を表明しているという。アンドリュー氏は、従来メーカーによる大規模な開発体制に加えて、モバイル市場の成長にともなう小規模な開発体制が増加傾向にあると語る。
「ゲーム業界は今後、ハリウッド作品からインディーズ作品まで多様性に富んでいる映画業界のようになっていくだろう。PS4では何よりも開発のしやすさを重視している。また、なるべくフレキシブルなビジネスモデルを提供したいと思っている。どんなに小さな規模でもPSN上で自社でゲームを販売できるようにしていきたい」(アンドリュー氏)。
日本では2014年2月22日に発売されるPS4だが、北米では2013年11月15日に、欧州では11月29日に発売される。さらに、日本を除くアジア諸国では12月に発売することも発表された。2013年度の全世界での売上げ目標は約500万台を掲げている。
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