「iPhone」は消費者に人気だが、米国家安全保障局(NSA)にもやや異なる理由で好かれているようだ。
先日お伝えした通り、NSAは「iOS」「Android」「BlackBerry」搭載デバイスのユーザーデータにアクセス可能であることが、独誌Der Spiegelが入手した内部機密文書で明らかになった。
機密文書は、スマートフォンユーザーの「大規模な」監視が行われたことを示すものではないが、いくつかの具体的な事例に関する記録を含んでいる。そしてDer Spiegelが現地時間9月9日付の続報で伝えているように、AppleのiPhoneはいくつかの理由でNSAのお気に入りのターゲットになっているようだ。
NSAが作成した「スクリプト」と呼ばれるプログラムはiOSの38種類の機能を監視できるということだが、これらNSAの内部レポート(少なくとも1件は2010年に作成されたもの)によると、アクセス可能なバージョンは「iOS 3」と「iOS 4」のみだという。監視可能な機能には、地図、ボイスメール、写真のほか、「Facebook」「Yahoo! Messenger」「Google Earth」などのアプリケーションが含まれる。
またDer Spiegelによると、NSAはiPhoneのバックアップファイルをもう1つの侵入ツールとして使っているという。バックアップファイルには、連絡先、通話記録、テキストメッセージの下書きといったデータが含まれる。これらのデータを取得するのに、NSAはiPhoneそのものに侵入する必要さえなく、iPhoneと同期しているPCにアクセスするだけでいい。
さまざまなiOSアプリで使われている位置情報機能も、特定の時間帯におけるユーザーの居場所を正確につかめることから、NSAの格好のターゲットだとDer Spiegelは報じている。NSAの文書によると、Appleが「iOS 4.3.3」で問題を修正するまで、ユーザーの位置情報を長期間にわたって追跡することが可能だったという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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