パラレルスは8月29日、Mac上でWindowsを動かすための仮想化ソフト「Parallels Desktop 9 for Mac」を発表した。
「Parallels Desktop 9 for Mac」
既存ユーザー向けアップグレード版を、パラレルスのウェブサイトにて同日より販売開始予定で、新規ユーザー向けには9月6日に販売開始する。
今回のバージョンでは、iCloud、Dropbox、Google Drive、SkyDriveなど、クラウドストレージへの最適化を含む新機能が実装された。また、WindowsアプリケーションをLaunchpad上に配置できるほか、Windows 8ユーザー向けに、独自にスタートメニューやWindowsスタートボタンを復活させた。
Parallels Desktop 9 for Macのパッケージ
WindowsやWindowsアプリケーション上でのMacBookのPower Nap機能、ThunderboltやFireWireストレージデバイスとWindows仮想マシンとの接続、セキュリティ機能の改善、マルチモニタ使用時の柔軟性の向上、Macのジェスチャー機能をWindowsアプリケーション上で使用する際の機能強化など、これまで以上に利便性を高めた。また、Linuxユーザー向けにもMac OSとの親和性を強化したとしている。
シャットダウンや各アプリケーションを呼び出せるメニューボタンも
さらに、パフォーマンスも向上させ、旧バージョンと比較して、ディスクパフォーマンスは40%向上、仮想マシンの起動とシャットダウンは最大25%迅速化。仮想マシンのサスペンドまでの時間は最大20%短縮したとしている。3Dグラフィックおよびウェブブラウジングは、共に最大15%のスピードアップを実現したという。
価格は、パッケージ版の標準小売価格が7900円(初回出荷限定4000本のみ4900円)、アカデミック版が3900円、大学生協版が3900円。既存の Parallels Desktop 8または7のユーザー向けアップグレード版は、8月29日より4900円で発売される。
なお、8月15日以降にParallels Desktop 8 for Macを認定リセラーより購入したユーザーは、Parallels Desktop 9 for Macへ無償でアップグレードできるとしている。
主な新機能および機能改良点は下記のとおり
PDFファイル出力機能がないWindowsアプリケーションからも、Macのデスクトップ上にPDFファイルを作成できる
- クラウド サービスへの対応
iCloud、Dropbox、Google Drive、SkyDriveなどとの同期が簡単に取れ、Mac、Windows仮想マシン間でファイルをローカルに重複して保存する必要がなくなる。
- Windows 8およびWindows 8.1へのサポートを拡張
[スタート] メニューの搭載や、メトロ アプリをフルスクリーンではなく単独のウィンドウとして開ける。
- セキュリティ センター
1つの画面でセキュリティ ソフトウェアのインストール状況を一元管理できる。
- 仮想マシン ウィザードの機能拡張
新規に仮想マシンをセットアップする際、コンピュータがDVDドライブを搭載していない場合でも容易にセットアップが可能。
- Power Nap 機能をサポート
Retina対応のMacBook Pro または MacBook Airで、 Power Nap 機能をWindowsやWindowsアプリケーションにも適用し、Windowsアプリケーションを常に最新状態に保てる。
- MacでのジェスチャーをWindowsアプリで使用可能に
ジェスチャーを使った辞書検索が、Windowsアプリケーションでも使える。
- ThunderboltとFireWireストレージデバイスをサポート
定期的なバックアップに高速ストレージが使え、Windows仮想マシンに直接接続できる。
- Windows仮想マシンから使えるPDFプリンタを搭載
PDFファイル出力機能がないWindowsアプリケーションからも、Macのデスクトップ上にPDFファイルとして出力できる。
- スティッキー マルチモニタ セットアップ
Windowsをフルスクリーン モードで外部モニタに接続した場合、セッティング状態を記憶し、Windows仮想マシンが再接続された時にフルスクリーン状態から使用可能。
- カスタム キーボード
編集可能なキーボード ショートカットでWindows利用時の使いやすさをカスタマイズ可能。
- LinuxでGuestユーザー使用時におけるMac OSとの親和性を強化