The Guardianの編集者であるAlan Rusbridger氏は、米国家安全保障局(NSA)の内部告発者であるEdward Snowden氏から提供された情報が含まれていたコンピュータを英国政府捜査官によって破壊された経緯をブログ記事で詳細に語った。同氏はこの出来事について、「The Guardianの長い歴史において極めて異様な瞬間だった」と表現している。
Rusbridger氏の記事によると、2カ月ほど前に、Snowden氏から提供された書類を返却あるいは破棄するよう英国政府から圧力を受けるようになったという。問題の書類は、議論を呼んでいる米政府の監視活動に関する一連の記事の根拠となったものだ。その1カ月後に事態は深刻化し、Rusbridger氏はある政府関係者から電話で「お楽しみは終わりだ。われわれに例の文書を返して欲しい」と告げられたという。
こうした要求は、「謎の英政府関係者」との一連の会合で繰り返されたという。Rusbridger氏はその会合で、これに従った場合、同紙はNSAの活動に関する調査や報告ができなくなると説明した。また、Rusbridger氏は英国の諜報機関である政府通信本部(GCHQ)の代表者とのこうした会合で、民間報道のグローバルな性質から、そのような破壊行為が見当違いであるという説明を試みた。
現代における情報収集の手法を説明したにもかかわらず、「英政府は(コンピュータを破壊したことに)満足した」とRusbridger氏は記している。また、同氏らがこの「MacBook Pro」の残骸を片付けている時、政府捜査官の一人が「われわれはブラックホーク(軍用ヘリコプターの一種)を呼びつけることができる」とジョークを言ったという。
米CNETはこの件についてGCHQにコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。
Rusbridger氏は、この問題を明らかにしたブログで、The GuardianのGlenn Greenwald記者のパートナーが現地時間8月18日、ブラジルへ帰国途中、経由したロンドンのヒースロー空港で9時間にわたり拘束されたことについても異議を唱えた。
Greenwald記者は、「英米の両政府がこうした戦術について、いかなる形であれ、(暴露された)これらの文書で明らかになっていることに関して、われわれが積極的な報道を続けるのを阻止したり脅しをかけたりすることができると信じているとすれば、思い違いも甚だしい。むしろ、それは逆効果にすぎず、われわれをさらに勇気づけることになる」と述べた。
Rusbridger氏もこうした意見に同調している。
「われわれは、Snowden氏の文書について、これからも辛抱強く、徹底した報道を続けていく。ただし、ロンドンからは発信しないつもりだ」(Rusbridger氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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