クーポン配信はどの程度利用されている?--ドコモ・ドットコムO2O利用動向調査 - (page 2)

小笠原亮(ドコモ・ドットコム)2013年08月20日 08時00分

支持されている魅力の違いとは

 位置情報を利用して現在地に近い店舗のお得情報・クーポンを入手し、活用することができるという「エリア店舗情報サービス」については、現時点での認知度が低いことも影響してか、他サービスに比べるとやや低い利用率となった。ただし極端に低いというわけではなく、飲食系店舗を中心に4分の1のユーザーが利用している状況となっている。

 これら各サービスの魅力は何といっても「安く買える/利用できる」といった「お得感」に集約されるが、サービス毎にその内容を細かく見ると、支持されている魅力に若干違いのあることが分かる(図3)。

図3:各サービスジャンルの魅力(画像を保存すると大きい画像が見られます)
図3:各サービスジャンルの魅力(画像を保存すると大きい画像が見られます)
  • デジタルクーポン=割引サービスが受けられるから
  • 来店ポイントサービス=何も購入しなくてもポイントを貯めることができるから
  • デジタルチラシサービス=セール情報がわかるから
  • エリア店舗情報サービス=行きたいお店を見つけるのに便利だから
  • 公式アカウントサービス配信=割引サービスが受けられるから

 これらの特色から、各サービスをそれぞれ使い分けながら、安く買い物をしようとするユーザーの意識が感じられる。故に、お得情報・クーポンなどを配信する企業側としても、自社のサービス内容を鑑みつつ、自社店舗に誘導するにはどの提供形態が最適なのかを考慮した上で展開することが重要となる。

 現時点におけるインターネットメディアを使ったお得情報・クーポン配信は、「飲食店/レストラン」「ファーストフード店」といった飲食系店舗や「コンビニエンスストア」のような購入機会の多い店舗ジャンル、また「家電量販店」「ファッション・アパレル」「ドラッグストア」等で一定数利用され、実店舗への誘導にある程度成功している段階といえよう。今後は週1回、月1回程度利用機会のあるような店舗のジャンルに対し、より多くの顧客誘導が如何に展開させられるか、サービス自体の認知・利用向上が図れるかが鍵となる。独自開発でのサービス提供は費用も大きくかかるなどリスクもあるため、まずは既に会員基盤を保有しているプラットフォームの活用、ソーシャルメディア公式アカウントの利用、またシステム部分構築にASPサービスを用いるなどといった、比較的参入ハードルの低い形から展開してみてはどうか。

 その後、認知経路として高い指数を示した「実店舗でのお知らせ」「お店のホームページ」「インターネット上でのニュース・広告」といった部分での告知を強化するなど、「O2O」サービス利用ユーザーを増加させ、結果的に実店舗への来店者数増加を達成したいところである(図4)。スマートフォンになり、表現力や活用領域が更に広がったモバイルだが、従来備わる「いつでも・どこでも」といった携帯特性をより活かし、ECサービスの利用デバイスとしてのみならず、顧客誘導のツールとしても是非活用していただきたい。

図4:サービスジャンル別認知経路(画像を保存すると大きい画像が見られます)
図4:サービスジャンル別認知経路(画像を保存すると大きい画像が見られます)
ドコモ・ドットコム発行「スマートフォンレポート」
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