「エンタテインメントの未来を考える会 黒川塾」の意気--過去11回を振り返る

佐藤和也 (編集部)2013年08月14日 15時49分
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 2012年6月から行われている「エンタテインメントの未来を考える会 黒川塾」。音楽や映像、ゲームソフトやオンラインゲーム、カードゲームに至るまでさまざまなエンターテインメントビジネスに携わった、メディアコンテンツ研究家でコラムニストの黒川文雄氏が主催し、エンターテインメントの原点を見つめなおし、ポジティブに未来を考える会となっている。

 あくまで自主勉強会という立ち位置ではあるが、登壇者にはゲーム業界の内外を問わずに著名人が登壇することもあるほか、テーマもWindowsとOS Xで動作する統合型のゲーム開発環境「Unity」といったゲーム開発に密接するものから、「クラウドファンディング」や「空間情報科学」といった社会性のあるものまで多種多様とあって、注目を集めている。

 ここではこれまで開催された11回分の内容を振り返るとともに、黒川氏自身にも、開催の経緯やこの会の今後について黒川氏に聞いた。

--黒川塾開催のきっかけや経緯を教えてください。

  • 黒川文雄氏

 2010年12月に50歳の節目を迎え、自分が何を成すべきか?ということを考えていました。2011年1月にNHN Japan(現NHN PlayArt)へ転職し、そこで自分が望まれている仕事に打ち込むことで、それは実現するのだろうと思っていました。そこで新しい経験や知識、そして新しい出会いを重ねてきましたし、常に自分ができること、自分がやらなければいけないことを考えてきました。ですが、一生現場というわけにはいかないように、いつかは自由に動いたり、柔軟に考えたりすることができなくなるのではないかと思うようになりました。

 そのとき、自分の持っている知識や人脈などを多くの友人たちと共有し、その友人たちから新しいものを吸収しつつ、新しくチャレンジしたいと思う気持ちが芽生えてきました。この気持ちから、自分が興味のあるモノ(コンテンツ)や人を介して何かを伝える役割を果たせないかと思ったのが「黒川塾」を立ち上げるきっかけです。以前からもやもやとした気持ちがあったのですが、たまたま友人と新宿で会食しているときに勧められたことにあと押しされました。実際に「黒川塾」を始めたのは2012年6月22日ですので、開始の1年以上前から構想はありました。

 1年を経た2013年6月27日に無事に10回目を迎えることができ、これまでに11回の開催ができたことは、ひとえにみなさまのご支援のおかげであると思っています。私自身は小さな存在ですが、多くの素晴らしい友人や識者に恵まれています。彼らの仕事観や人生観を共有することで、未来のエンタテインメントを創造できればと思うのです。

--11回を振り返った感想は?

 これまで開催できたのは、ひとえに協力してくれた友人のおかげであり、登壇していただいたゲスト・スピーカーの方々の理解と協力に依るものと思います。私一人の力はちっぽけなものですが、それを支えてくれた友人たちの存在なくしては語れません。そして、黒川塾に参加してくれた人たちとの新しい交流によって友人が増えたこともとてもありがたいと思っています。

 塾を個人で企画して運営までを行うことは大変過酷なことです。主旨を理解されないことはもちろんのこと、話すら聞いていただけないこともあります。しかし、継続する気持ちだけは捨てずにやってきました。徐々に「黒川塾」の存在や方向性を理解いただきつつあることに感謝しています。最初は思い付きでしたが、それを実際に行動に移すこと、継続することには努力が必要だと思います。始めることはできても継続することは難しいのではないでしょうか。

--黒川塾の今後について教えてください。

 回を重ねるごとに多くの来場者様に恵まれ、それは新しい出会いでもありました。平均すると76人くらいが各回の来場者様の数値になります。もちろんテーマごとに関心が異なり来場者様の人数が異なりますが、それでも多くの方にご来場いただき、何か新しい気づきを持って帰っていただけることがあれば光栄です。

 その時々の関心事のなかで、ガンホー・オンライン・エンターテイメント様の「パズドラ」をテーマにしたり、クラウドファンディングに関しても早期にテーマとして取り上げ、自身も「モンケン」というゲームプロジェクトで取り組んでみました。今後も僕自身の物事や人物に対してのフラットな視点や、一般的に何が関心事なのかを見極め、ゲストやテーマを決めていきたいと思います。

 また、何かを成し遂げようとする人や物事にフォーカスをして組成していきたいと思いますし、そのような人たちやテーマをもとに「黒川塾」に参加したい、登壇して発表してみたいと思われるような「塾(勉強交流会)」にしていきたいと思います。単発のドラマというよりも緩やかに、時に激しく続く大河ドラマのような勉強会を目指していきたいと思います。そして、そこから新しい何かが生まれることを願っております。

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