ミクシィ1Q決算は上場来初の赤字に--課金、広告ともに苦戦

岩本有平 (編集部)2013年08月09日 16時33分

 ミクシィは8月9日、2014年3月期第1四半期決算(4~6月)を発表した。売上高は21億4400万円(前年同期比20.9%減)、営業利益は8400万円の赤字(前年同期は8億8900万円)、経常利益は1億9300万円の赤字(同8億7100万円)。純利益は2億5300万円の赤字(同5億6200万円)。上場来初となる赤字決算となった。


ミクシィ代表取締役社長の朝倉祐介氏
  • スマホMAUの推移

  • 主要サービスをアプリ化する

 スマートフォンシフトに伴う環境変化によって広告売上が大幅に減少したほか、スマートフォン向けの「mixiゲーム」の立ち上がりが遅れたという。通期の業績予測には変更はない。同社が重要なKPIと説明する「ミクシィグループスマホMAU」(ミクシィグループが提供するスマートフォンアプリおよび、スマートフォン向けのウェブサービス「mixi Touch」の月間ログインユーザー数積算数)は、6月時点で795万人。3月の993万人以降、減少傾向にある。

 セグメント別の売上高を見ると、フィーチャーフォン向けのゲーム事業の減少傾向が進んだほか、ディー・エヌ・エー(DeNA)とともに手掛けるスマートフォン向けゲームについても立ち上がりが遅れた結果、課金売上は14億400万円(前四半期は15億3300万円)となった。

 また、デバイスの環境がPC、フィーチャーフォンからスマートフォンの移行が進んだほか、ゲーム事業のリニューアルに伴った自社広告の出稿を増やした結果、広告の売上高は4億72万円(同8億5600万円)となった。ミクシィ取締役最高財務責任者の荻野泰弘氏は、広告事業の売上について「もともと5億円程度を予想していた」と説明するが、前期比の約45%減となっており、厳しい業績となっている。

 今回の赤字決算に伴い、中国・上海の開発拠点を閉鎖するなど、コスト構造の見直しを進める。

 就任後初となる決算説明会に臨んだミクシィ代表取締役社長の朝倉祐介氏。今回の業績について、「想定していたが、決してよい状態でない。だが、歩みを止めてはいけない。絞るところは絞り、投資するところは投資する。メリハリのきいた意思決定をやっていく」と語る。

 朝倉氏は(1)アクティブユーザー増加、(2)収益拡大――の2つのテーマで再成長に向けた取り組みを説明する。

 まず、アクティブユーザーの増加に向け、コミュニティ、ニュース、日記、メッセージといった主要サービスと連携するスマートフォンを今月中にも提供。さらに、SNS「mixi」とのID連携を前提としないスマートフォン向けのゲームアプリなどを提供していくという。「4倍に増やす」と明言しているスマートフォンエンジニアの比率は、全体の8.8%から44.0%まで拡大したという。

 収益の拡大に向けては、スマートフォン版mixiゲームでDeNAとの連携を強化。タイトルを拡充するほか、mixi Touch向けも着せかえを7月末に展開。さらにmixi日記を製本する「mixiダイアリーブック」を今秋提供する。mixiダイアリーブックについては、当初予定の500人の38倍にもなる1万9000人が申し込んだ。そのほか個人間取引を進める「mixiマイ取引」も7月に提供している。

 また、リサーチ事業の「mixi research」、スマートフォン向けポイントサービスの「モラッポ」などは、mixiの既存資産を生かしてサービスをさらに拡大していく。

 投資事業も強化する。7月に設立したアイ・マーキュリーキャピタルはすでにスタディプラスとREVENTIVEの2社に投資しているが、今後もベンチャー投資を予定している。

 また、新規事業に向けた社内公募制度「イノベーションセンター」を通じてのサービス開発も進める。既報の通り、フォトブック作成サービスの「ノハナ」については、9月に子会社化する予定だ。

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