Bezos氏は、慈善事業や自身の政治的野心を満足させる舞台としてThe Washington Postを買収するわけではない。「真実がどこへつながっていようが、真実を追い続ける」という発言を除けば、同氏にそれほど大きな政治的な目標はないようだ。その発言は新鮮ではあるが、誰にとっての「真実」なのかが重要になることが往々にしてある。政治という観点から見ると、Bezos氏はむしろ裏方の役割を演じてきた。例外は、同性婚を支持していることと、Amazonのようなオンライン企業が売上税を徴収して州に納税することを義務付ける連邦法案に賛成していることだ。Bezos氏はさまざまな民主党議員や共和党議員に政治献金を行っている。
Bezos氏は、ウォーターゲート事件の記事で全米の注目を集めたThe Washington Postが過去の栄光を取り戻すためのアイデアをいくつか持っているはずだ。同氏は社員に宛てたメモで、発明と実験を行う必要性に言及した。The Washington Postにとって耳新しいことではない。
地図はない。進むべき道を決めるのは容易ではないだろう。われわれは発明を行う必要がある。つまり、実験を行う必要があるということだ。読者がわれわれの成功を測る物差しになるだろう。彼らが何に関心を抱いているのか(政府、地元のリーダー、レストランの開店、ボーイスカウトとガールスカウト、ビジネス、慈善事業、知事、スポーツ)を理解し、そこから遡ってさまざまなことを行っていく。わたしは発明の機会に胸を躍らせており、楽観的な気持ちを抱いている。
しかし、The Washington PostがBezos氏のような人物を迎え入れるのは初めてのことだ。Amazonで証明されたように、同氏は破壊者であり強烈な競争者だ。巨大な財力を持ち、実験やリスクをいとわない。
Amazonの事業の本質は、コンテンツとサービスで顧客に満足してもらうことだ。その点はニュースメディア組織とそれほど変わらない。Bezos氏は自分で言っているように、顧客がAmazonのデバイスを購入するときではなく、デバイスを利用するときに、つまりコンテンツの消費や商品の購入によって利益を得たいと考えている。Bezos氏は今、The Washington Postの印刷物、オンライン、動画のコンテンツとサービスに投資することによって、同紙が多くの競合他社を相手に大きな成功を収めるのを支援する立場にある。読者と広告主が真剣に注目したくなるような記事や画像、サービスをより多く提供するという点において、The Washington Postが真実を見つけられるかどうかは、まだ分からない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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