Facebookの元最高技術責任者(CTO)で、「Google Maps」の立ち上げに貢献したエンジニアでもあるBret Taylor氏が、「モバイル時代の生産性スイート」開発を目指す新会社、Quipを立ち上げた。
Taylor氏は、「Google App Engine」チームの元技術リーダーであるKevin Gibbs氏とともに、多様なモバイルおよびデスクトップ機器に対応し、文書の共同編集が可能な「モダンなワードプロセッサ」を開発した。ベンチャーキャピタルから1500万ドルを調達したとも伝えられるQuipは、米国時間7月30日の晩に「iOS」版アプリをリリースした。
Taylor氏とGibbs氏は、デスクトップPCをまったく使わずにモバイル機器でインターネットにアクセスする傾向の高まりに触発されたと語っている。2人は、7月30日付のブログ投稿で、GUIを採用し、1984年に初代「Macintosh」とともにリリースされたワープロソフト「MacWrite」を例に挙げ、生産性ソフトウェアは過去30年間ほとんど変わっていないと指摘した。
いくつかの色が追加され、画面上部に数々のツールバーが表示されるようになったことを除けば、現在のノートPCにバンドルされているであろうソフトと見た目に違いはない。われわれは、肩パッドやレッグウォーマーが流行した時代に使っていたものと同じメタファーとワークフローを、いまだに使っている。
旧来のソフトウェアと決別するため、Taylor氏とGibbs氏は自分たちが考える現代のモバイル機器向け文書のあるべき姿に基づいて、プラットフォームを開発した。両氏が開発したワープロソフト「Quip」は、文書とメッセージを1つのスレッドにまとめ、デスクトップマシンを含めたあらゆる機器から編集を行える。だが、Quipの長所の1つとして両氏が挙げるのは、モバイル機器の画面サイズに合わせて自動的に書式を整える機能で、これにより文書を読むためにピンチズームする必要がなくなるという。
Quipはさらに、リアルタイムでの共同編集やディスカッションを可能にする共有フォルダ機能を備え、新しいコンテンツが追加されるとユーザーに自動的に通知する。
Quipは、30日にリリースされた「iOS」アプリに加え、「Android」向けのPreview Release版も「Google Play」ストアで公開されている。
Quipは、個人で使用する場合は無償だが、同社は企業向けにサブスクリプション型のサービスを提供したいとの考えだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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