シャープは7月22日、8月に店頭発売を控えた4K液晶テレビ「AQUOS LC-60UD1」の製品説明会を開催した。発表時点では未定だったサイズ高さ82.9cm×幅137.8cm×奥行き11.4cmや重量約37kgを明らかにしたほか、4Kならではの画作りについて説明した。
UD1シリーズは5月に発表されたAQUOSシリーズ初の4Kテレビ。6月に70V型の「LC-70UD1」が店頭に登場している。シャープでは、今回のAQUOS UD1シリーズのほか、光クリエーション技術「ICC」を搭載した4Kテレビ「ICC PURIOS」をプレミアムモデルとして展開。圧倒的臨場感と画質を提供するICC PURIOSと、4Kの裾野を広げていくUD1シリーズの両輪で、大画面テレビの普及を目指す。
シャープデジタル情報家電事業本部液晶デジタルシステム第1事業部第1商品企画部部長の指出実氏は「大画面テレビ需要の裾野を広げるため、UD1シリーズには『画面の粗さ』『映り込み』『スペース性』と3つの課題を解決する機能が盛り込まれている」と言う。画面の粗さは3840×2160ピクセルの4K解像度のパネルを採用し、きめ細かい映像を再現。加えて、外光の映り込みを抑える「モスアイパネル」を4K用にした「4Kモスアイパネル」を採用することで、映像に集中できるよう配慮したという。また、スペース性については横幅を137.8cmにまでコンパクト化した。これは2006年に発売された52V型AQUOSの横幅148.2cmを下回るサイズになる。
横幅のコンパクト化に大きく寄与しているのは、アンダースピーカだ。2006年発売のAQUOSでは、左右に配置していたスピーカを画面下部に移動させることで、横幅を画面サイズに近い形にまで抑えた。しかしアンダースピーカには音の広がりや迫力がサイドスピーカに比べ、弱くなってしまうというデメリットがある。シャープではこのデメリットを独自の「DuoBass」を備えた「2.1chフロントサウンド音声システム」を搭載することで改善した。
2.1chフロントサウンド音声システムは、左右2つのトゥイータとミッドレンジ、DuoBassから構成され、テレビの筐体とは独立したBOX構造を採用。低域再生を担うDuoBassは、2つのウーファを対向に配置することで、お互いの振動を抑える効果が生まれる。これにより、振動を抑えながら量感ある低域が再生できるとしている。
「映像も同様に、色鮮やかで誰が見てもわかる高画質を追求したのがフルHD。本物を目の前で見ているような本物感を追求したのが4K」(小池氏)と話す。本物感を表現するポイントの一つは“奥行き感”だ。奥行き感を出すため、シャープは画面の均一性に注力。画面の中央と端の輝度を同じにすることで、遠近感、奥行き感、立体感を再現した。
通常、画面の均一性を実現するには、直下型バックライトを使用することが有利だとされるが、UD1ではエッジ型のバックライトを採用。バックライトの構造に関しては明らかにしていないが、均一性を高めることで、奥行き感のあるリアルな映像を再現できるとしている。画質面におけるもう一つの特徴が「店頭モード」の排除だ。UD1では「高精細モード」という新モード採用し、店頭用のデモモードはあえて搭載していない。「今後海外製の低価格な4Kテレビが登場してくれば、派手な見え方を売りにしたモデルも出てくる。しかし本物感を再現できるのは日本でしかできないこと。こうした価値を店頭でもきちんとお伝えするのが4K対応AQUOSのコンセプト」と小池氏は言う。
こうした取り組みにより、UD1シリーズは70V型、60V型ともに「THX 4Kディスプレイ規格」の認証を取得。現在日本ブランドの4Kテレビでこの規格認証を取得しているのはシャープのみだという。
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