セガは7月18日、六本木のニコファーレで発表会を開催し、新規プロジェクト「project 575」を発表した。
project 575は、俳句や短歌で日本人になじみ深い五・七・五形式で、ユーザーの言葉をヤマハの歌声合成技術「VOCALOID」(ボーカロイド)の歌声にのせて発信していく新しいアソビ「575」を提供することがコンセプト。Twitterなどの新たなソーシャルメディアのかたちを目指しているとのことで、 iOS、PS Vita、楽曲、マンガ、小説、アニメなどさまざまな展開を行う試みとしている。
登場するキャラクターは「正岡小豆」(まさおかあずき)と「小林抹茶」(こばやしまっちゃ)の2人の女子高生。舞台を俳句ともゆかりの深い鎌倉にし、作品では鎌倉に実在する名所や街並みも登場する。キャラクター原案はかんざきひろさん、小豆の声を大坪由佳さん、抹茶の声を大橋彩香さんがそれぞれ担当している。
project 575の皮切りであり中核となるのが、7月26日配信予定のiOS用“コトバコミュニケーション”アプリ「うた詠み575」だ。アプリに配信されている楽曲(テーマ)にそって、五・七・五形式で言葉を入力していくだけで、歌作品を作ることができるというもの。作った歌作品は、アプリに搭載されたボーカロイドによって、キャラクターが歌声を披露してくれるのが特徴。これまでのPCなどでのボーカロイド製品では、ある程度の技術や知識が必要となってくるが、本アプリでは自分の気持ちや思いを言葉として入力すれば、すぐにメロディにのせて歌ってくれるところがポイント。歌の音階から作りたいというユーザーは、歌の句数やテンポ、音階を自分で編集したオリジナルテーマを作ることもできる。
ひとりで最後まで言葉を入力しなくても、続きの句を他のユーザーに依頼し、複数人でひとつの歌作品を合作することも可能となっている。また、完成した歌作品はアプリ内の作品掲示板にて披露することができ、ユーザーから一定以上評価されると、ニコニコ動画にアプリ上から作品を直接投稿できる。
アプリではキャラクターがユーザーに話しかけてくるキャラクターイベントも用意。ほかにもキャラクターの着せ替え機能や撮影機能も搭載。好きな衣装、ポーズ、表情を選び、カメラを使って風景とキャラクターを合成した写真や、背景画像に合わせた写真を撮影し、それをフレンドと共有したり掲示板で披露し、ユーザー間で評価する楽しみもある。ニコニコ動画に投稿するときには、アプリで撮影した写真と歌作品をリンクさせた動画作品を作成する。自分が撮影した写真だけでなく、友人がシェアした写真も使うことが可能でで、詠みと撮影の担当をわけてひとつの作品を作るといったこともできる。
配信に先立ち事前登録キャンペーンを7月24日24時まで実施。期間内に「うた詠み575」に事前登録したユーザーに、2人のキャラクター限定レアアイテム「ウェイトレスコスチューム」をプレゼントするほか、8月31日までの期間内に、アプリをはじめたユーザーへのスタートアップキャンペーンも行う。
その後の展開として、さまざまな作家がproject 575を題材にして執筆したマンガやライトノベルをニコニコ静画にて無料配信。各種グッズ販売もすでに決定している。そしてPS Vita用ソフト「うた組み575」を2014年に発売予定としている。
「うた組み575」は、楽曲にあわせてコトバを組みあわせていく、パズルとリズムゲームの楽しさを兼ね備えた「うた組みアクション」を楽しむゲーム。流れてくる歌詞には所々に空欄があり、その欄に収まるよう言葉を選んでいく。
発表会ではこれらproject 575の概要を説明したほか、本プロジェクトにおけるキャラクターの使用に関する規約を定め、非商業目的や個人使用、または無償で提供・頒布されるものであれば事前の連絡や申請の必要なく使用が可能であることを説明。キャラクターのイラストや漫画・小説・アニメーションの作品や、コスプレ・なりきりの写真を、個人のホームページに掲載したり、動画共有サイトに投稿したりすることなど、いわゆる二次創作を公式に許可している形となっている。森本氏は「どう転ぶかわからない」というほど異例の取り組みとなるが、ユーザーも巻き込んだコンテンツの盛り上げを全面的にバックアップしていくことに意欲を見せた。なお、規約内容は公式サイトに記載されている。
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